「俺から学ぶんじゃない。海が先生だから、海から直接学びなさい。」
これは筆者のダイビングの師匠の言葉です。
長い人生の中で、落ち込んだり迷ったりすることは多々あると思います。
そんな時、ちょっと海に足を運んでみると、ヒントをもらえるかもしれません。
自分の中の全ての感情を
南の島の暖かく透き通った美しい海、北国の黒に近い紺碧の冷たい海、流氷が接岸して真っ白な凍てつく海…
同じ地域の海でも凪いでいる日や荒れ狂っている日。
水中ならうねっていたり、流れがあったり、濁っていたりと同じポイントでもその日によって様々です。
だからと言って、海が嫌いという人は少ないはず。
どんな表情を見せても海は多くの人に愛されています。
私達にも喜び、怒り、悲しみなど様々な感情があります。
日本人は特にかもしれませんが、人に嫌われるのを恐れて嫌な感情にフタをしがちです。
感情をむき出しにするのはまずいでしょうが、時にはそれとなく相手に表現してみても、嫌われたりはしないかもしれません。
まずは自分自身の嫌な感情を、「いいんだよ」と受け止めてあげられたらいいですね。
適正ウェイトで快適に
ダイビングをする時は、ウェットスーツやドライスーツに浮力があるので、ウェイト(重り)を付けないと潜ることはできません。
慣れない時は、ウェイトが少なすぎて潜降(潜る)することができなかったり、多すぎてうまく泳げなかったりします。
ちょうどいい量のウェイトを付ければ、浮きも沈みもしない心地よい状態で効率よく泳ぐことができる。
これはなんだか人生に似ているな〜と感じます。
余分なウェイトは捨てて、軽々と快適に生きて行きたいものですね。
流れを利用する
レクリエーショナルダイビングの中に、水中を潮流に乗ってダイビングする「ドリフトダイビング」というものがあります。
これは潮流のあるポイントで、流れに逆らって泳ぐのではなく、流れに乗って広範囲を楽にダイビングをしようというもの。
人生でも流れに逆らって苦しみながら生きるのではなくて、自然な流れに乗って楽に楽しく生きていけたら最高です。
海はいつも、時に優しく時に厳しく私達を受け入れてくれます。
海は人を癒す一方で、時には人の命を奪うことさえあります。
それはどちらも私達への無言のメッセージかもしれません。
全ては母なる海の愛。
海に潜るといつも感じるのは、自分の小ささと自然の偉大さ。
たまには海で人生のヒントを得てみてはいかがでしょうか。
NATURES. 編集部 キュレーター
北海道札幌市出身。ダイビングインストラクター。ダイビングショップZEMHOUSEスタッフ。
平日は札幌の大学で研究補助の仕事、週末はダイビングというライフスタイル。人間の本当の幸せと地球の健康について模索中。