カリフォルニア生まれのスキーヤー、コーディ・タウンセンド(Cody Townsend)という名前を聞いたことがあるでしょうか。今回は、寒さ厳しい今の季節にぴったりなスキーを、コーディ・タウンセンドのハラハラドキドキ動画でご紹介しましょう!
1分30秒ほどしかない動画なので、1度見ただけだと一瞬で終わってしまったと感じるかもしれません。2度、3度と見るうちに、じわりじわりとその凄さがわかり、背筋がゾッとするような感覚さえ覚えます。それでは、百聞は一見に如かず、ということで、まずはご覧ください!!
そう、この岩壁の間を滑り降りている男こそが、冒頭でご紹介したプロスキーヤー、コーディ・タウンセンドなのです。動画の冒頭ではヘリコプターの映像とともに、「緊張してきた。」という彼の声が聞こえますが、その声からは緊張だけでなく、ワクワクとしている雰囲気が伝わってくるような気がします。
「スリー、トゥー、ワン」という何とも軽い自らのかけ声を合図に、雪に覆われた絶壁のなかへと飛び出しますが、その度胸、一体どこから来るのやら!?素人目には「滑っている」というよりも、むしろ「滑り落ちている」ようにしか見えませんね。ただ、よく見ると滑り始めてすぐに、数回ターンをしている様子がわかります。しかし、斜面半ば辺りからは見ての通り、まるで来るものを押しつぶそうとばかりに両側から岩がせり出し、そこにはもはやターンをするスペースなどありません。「スキーレーサーになってから一番スピードが出ていた。」と彼がその瞬間を振り返って言ったように、直滑降に進む以外の道はなかったそうです。
岩に挟まれた狭い空間の出口付近は、手を伸ばせば岩に触れられるほどの幅しかなかったとのこと。その空間をうまく滑り抜けて陽の光が当たるところまで無事に辿り着いた彼は、興奮した叫び声を何度かあげたのち、「オーマイガー!」「こんなに怖いと思ったことはないよ。」と言って、動画が終了します。
この映像は、スキームービー「Days of My Youth」の一部となっており、この滑りでコーディ・タウンセンドはスキーヤーにとってのアカデミー賞とも言われるPowder Video Awards 2014を獲得したそうです。
気になるこの雪山ですが、一体どこにあるのかというと、アラスカのトードリロ山脈(Tordrillo Mountains)だそうです。夏はフィッシング、ハイキング、ラフティングなどが楽しめ、とにかくアウトドアが満載の場所。冬はヘリスキーやヘリスノーボードを楽しむ人が多く訪れる場所としても知られています。
ヘリスキー/ヘリスノーボードというのは、欧米では比較的メジャーで、山頂やリフトでは行けないような場所までヘリコプターでひとっ飛びし、そこから滑り降りていくことを指します。あまり人のいないような場所へ行くため、冒険心を満たしてくれるには最適ですが、その分危険も伴うため、かなりの上級者向けと考えた方が良いようです。
さて、今回は肝を冷やすようなスキー動画をご紹介しましたが、雪のある季節にしか楽しめないことや、見れない景色って意外とあるものです。皆さまもウィンタースポーツや冬ならではのアウトドアを、ぜひともこの時期に楽しんではいかがでしょうか?
《参考URL》
Cody Townsend’s Honeymoon with Death Is Still on Hold|GEAR PATROL
JOHN O’CONNOR(意訳:菊地薫)
Nature Serviceのウェブメディア NATURES. 副編集長。
自然が持つ癒やしの力を”なんとなく”ではなく”エビデンスベース”で発信し、読者の方に「そんな良い効果があるのなら自然の中へ入ろう!」と思ってもらえる情報をお届けしたいと考えています。休日はスコップ片手に花を愛でるのが趣味ですが、最近は庭に出ても視界いっぱいに雑草が広がり、こんなはずじゃなかったとつぶやくのが毎年恒例となっています。