滝が凍っている写真や映像を見たことがあるのではないでしょうか。滝は勢いよく流れ落ちているのに、どうして、そしてどのようにして凍るのでしょうか。今回は「How Do Waterfalls Freeze Mid-flow?」と「How Does A Waterfall Freeze?」の記事を参考に、滝が凍るメカニズムをご紹介します。

水はどうやって凍るのか?

滝が凍るメカニズムを考える前に、まず、水はどうやって凍るのかを考えてみたいと思います。水は分子からできていて、その水分子はいつもは動き回っています。しかし、温度が下がると動きが鈍くなり、水分子同士がくっついていきます。最初は数個の分子がくっつくことから始まりますが、その隣の分子がくっつき、そのまた隣もくっつきということがどんどん広がっていきます。そして、水温が0度になると水分子の動きは止まり、まわりの水分子としっかりくっつきます。これが水が凍った状態です。

池や湖には流れがないので、水温が0度以下になると今説明したようなメカニズムで凍っていきます。でも、勢いよく流れ落ちている滝の場合はどうでしょうか。

滝はどうやって凍るのか?

滝は常に激しく動いているので、当然水分子も絶えず激しく動いています。そのため、水温が0度になっても水分子はくっつくことができません。つまり、凍らないのです。これは「過冷却」と言って、水温が0度以下になって凍るはずの水が、凍らずに冷たい液体のままで流れている状態です。厳しい寒さが続くことで、滝に流れ込む川の水温がマイナス6度前後になると、過冷却がおきます。

過冷却が続くと水分子が徐々にくっつき始め、フラジルアイスという1ミリほどの氷の粒の集まりになっていきます。フラジルアイスができると滝の流れは遅くなり、流れ落ちるときに滝の周囲にある冷たい岩や物体に付着します。そして、そこで凍ります。これが凍結の核となり、その上を水が流れるとさらに凍結が進み、滝がどんどん凍っていくのです。

滝はこのような過程で凍るので、多くの場合、上部から凍っていきます。上から下につららのように垂れ下がった滝を見ることが多いのはそのためです。低い気温が続けば、水が落ちる高さと同じ高さの氷柱ができます。そして、最終的には滝の背後にある壁や岩ともつながり滝全体が凍って、絵のように美しい氷の滝が出来上がるのです。

まとめ

滝が凍るには、池や湖が凍るよりもはるかに厳しい寒さと長い時間が必要です。そのことを知ると、凍った滝を見られるというのはとても特別な経験ですね。機会を見つけて、芸術のような凍った滝を見に行ってみてはいかがでしょうか。

ちなみに、凍っていない滝にもさまざまな癒やし効果があっておすすめです。「滝の驚きの癒やし効果!そばでじっとしているだけで効果あり

(参考)
How Do Waterfalls Freeze Mid-flow?
How Does A Waterfall Freeze?

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