さて、小泉環境大臣との対談に際して、ワーケーションを推進するには3つのキーワード(1.エビデンス、2.マーケティング、3.プラットフォーム)が重要だと考えていることをお伝えしてきました。前回は、エビデンスとマーケティングまで説明致しましたので、最後にプラットフォームの必要性および具体的な運用方法についてNature Service の考えをお伝えします。

プラットフォーム集約の必要性

現在、国立公園のアクティビティなどは、各地域毎に民間のガイドさんが集客、予約、ツアーの手配などを個別に行っています。しかし、今後国立公園などをワーケーション先として考えるにあたっては、地域毎ではなく、日本全国を網羅できるプラットフォームが必要と考えています。

そうすることで、メジャーな地域のみならずマイナーな地域にまで人々の関心を向けることができ、結果としてエリアが偏ることなく日本各地で現地のネーチャーガイドさんを活用しつつ、ワーケーションを行うことができると考えています。

プラットフォームのアイディア

プラットフォームの最大の目的は、需要サイドと供給サイドのマッチングを図ることです。ここで言う需要サイドは、企業もしくはそこで働く従業員たちであり、供給サイドは、自然体験を提供する地方自治体や自然ガイドのことを指します。

たとえばですが、Nature Service が提案する「Nature Platform」はこんなことを目指しています。

企業:「Aさん、少し疲れているみたいだからワーケーション行っておいでよ~。”Nature Point”をチャージしておくから、その予算内で自然体験をしてリフレッシュにあててね。」

Aさん:(会社が一定の予算を出してくれるらしいから)「はい!行ってきます!」(Nature Platform で一括検索→行き先を決定→自動で地域のネイチャーガイドに連絡!)

といった感じです。

重要なのは、人事部が従業員一人ひとりの状況を鑑みて色々調整するのではなく、日本全国の自然体験を提供している地域を一括で検索し、予定を組むところから、地域のネイチャーガイドに連絡が行くところまで一度にできるようにすることです。

また、企業側が予算を「Nature Point」としてチャージすることで、従業員が自分の好きな自然体験を予算内で自由に組めるようにします。こういった仕組みにより、企業と地方の自然をつなぐきっかけ作りを提供できるのではないかと考えています。

ウィズ・コロナ、ポスト・コロナに向けた活動

そして最後に、コロナとの共存、終息後の活動方針についても小泉環境大臣にお話し致しました。

リモートワークで家にこもることが増えていますが、現時点では新型コロナウィルスの終息時期は誰にもわかりません。そんななかで、Nature Service はバーチャルで自然体験を提供することを考えています。

先日、たき火が延々と続く動画を作成したところ、これが意外と人気でした。コロナウィルスの影響でなかなか外に出られないことも多いので、森を歩いている映像などのコンテンツ作りにも力を入れようと考えています。

そして、ある程度自由にどこへでも行き来できるようになりましたら、ぜひNomad Work Center でワーケーションを体験しに来ていただきたいのです。その際、子どもがいらっしゃれば一緒に来てもらい、親はNomad Work Center で仕事をし、その間、子どもには森で遊んでもらうという、ちょっとした保育園のようなイメージのプランも練っています。

また、今回のコロナ禍を経験したことで、都心集中ではない働き方、郊外での生活、といったニーズがでてくる可能性は非常に高いと考えています。そういうニーズにいち早く対応するために、1ヶ月単位でNomad Work Center を貸し出すというプランをリリースしました。

特に、在宅勤務が続きすぎるとメンタルに支障をきたすという調査レポートもあるようなので、Nomad Work Center を一時的に「○○企業の支社」といった感じで使っていただき、都心のオフィスに通勤せず、地方の自然に囲まれた環境で仕事ができる機会を創出したいと思います。

以前でしたら、企業がバスを借り切って従業員がぎゅうぎゅう詰めになって来るのが当たり前でしたが、現在は「密状態の回避」のためにも従業員が都合の良い時に個別に来て働く、といったプランが良いのではないかと考えています。

地方で働く、自然に近いところで働く、自分の生まれ育った地で働く、そんなさまざまな選択肢を、Nomad Work Center を中心に創出することを目指して、今後も活動を続けていきたいと思います。

以上をもって、小泉環境大臣との対談内容は終了となります。大臣、環境省の職員のみなさま、大変お忙しいなかお時間をいただきありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。

終わりに

リモートワーク、ワーケーション、働き方改革といった言葉は、数年前から多くのメディアで取り上げられてきました。社会の転換点に差し掛かっていると感じつつも、もう少しゆるやかに移行してゆくだろうと考える向きは多かったように思います。しかし、実際には数か月前まで当たり前のように電車通勤をしていた人たちが、新型コロナウィルスの影響で突如リモートワークに移行しました。

先日の日本生産性本部の調査においては、「新型コロナウイルス収束後もテレワークを継続したいか」という問いに対し「6割強が肯定的」という結果が出たそうです。不便な点や不満、戸惑いなどはもちろんあると思いますが、まずまずの結果だったのではないでしょうか。

ですが、「リモートワーク=自宅で働く」というこの状態が続けば、先々メンタルやフィジカルの不調(気が滅入る、運動不足になったなど)が顕在化してくる可能性は十分に考えられます。

企業も含め、多くの人たちにとってワーケーションは未知の世界かもしれませんが、これを機に、ワーケーションという選択肢を改めて考えてみてはいかがでしょうか。

《参考》
第1回 働く人の意識調査|公益財団法人日本生産性本部

コメントを残す