今回こちらの記事を書かせていただきます、畠山といいます。
長野県信濃町にある「信濃町ノマドワークセンター」にてワーケーションを体験する機会を頂いたので、そこで感じたことをこの記事でご紹介させていただきます。

ワーケーション体験に向けた心構え

私はBizer株式会社の代表取締役という立場でベンチャー企業の経営をしています。弊社は創業当初(2013年)から働く時間や場所に関しては比較的柔軟に取り組んできていました。その理由としては、多くの社員が小さい子供を持つパパママであったり、夜間大学に通っている社員もいるため、朝から夕方まで決まった時間に決まった場所に集まって仕事をするのが難しかったという事情があります。そんな働き方を続けているということもあり、提供しているサービスはチームの生産性を向上させるためのクラウドツールとなっています。

また、個人でキャンピングカーを所有しているのですが、それを活用して時間と場所にとらわれない働き方ということで、以前からキャンピングカーワークを実践していました。オフィスや自宅とは違った環境を求めて、少しキャンピングカーを走らせて眺めの良いところや千葉県の海まで行って仕事をすることもありました。

そんなことから、これまでもワーケーションという言葉には興味を持っていましたし、キャンピングカーワークもワーケーションに近いものなのではないかと思っていました。ただ、そこまでしっかりとワーケーションについて考えたことはなかったので、今回ワーケーション体験ができるということで喜んで参加させていただくことにしました。

大自然を意識的に感じ、体内に取り込んでみる

今回、仕事は信濃町ノマドワークセンターで存分にやらせていただくことになりましたが、宿泊は併設されているやすらぎの森オートキャンプ場でキャンピングカー泊をすることにしました。

初日の朝から森林セラピーを体験させてもらえるということで、キャンピングカーで前日の夜に近くの道の駅まで行き、車中泊で朝を迎えたのですが、朝起きたら目の前に黒姫山と妙高山が現れて一気にテンションが上がりました。山が大きい!森林セラピーの集合場所でも目の前に雄大な景色が広がり、大きな山と広い空に圧倒されてなんとも言えないような高揚感でのスタートとなりました。

森林セラピーは、黒姫高原にある御鹿池を一周するような約1.2kmのコースで、ガイドの方に自然の満喫方法をたっぷりとレクチャーしていただきました。約1.2kmという距離は、普段の仕事での移動だと電車やタクシーを使ってなるべく時間をかけないようにと考えますよね。ましてやその道中を楽しむことなどなく、だいたいがスマホを使って仕事をしたりすることが多いかと思います。なんというせわしなさだろうかと改めて考えてしまいました。

1時間半ほどガイドの方と一緒にゆっくりと歩いたのですが、100〜200mくらい歩くとだいたい何かがあって足を止めて話を聞くことなりました。最初だけかと思ったらずっとその調子なのです。ということは、それくらいしっかりと自然に意識を持っていけば、見たり聞いたり香りを楽しんだり触ったりと、無数の発見があるということなのですよね。これまでも自然の中を歩くことがありましたが、どれだけのことを見逃していたのか。意識することで本当に発見の連続でした。

一番印象的だったのは、とにかく色々な音を聞くことができるということでした。動物や虫の鳴き声はもちろんのこと、風で木々や草花が揺れる音なんかも含めてずっと音に囲まれていたということです。森に入って音に意識を集中させることで、この音から大自然を感じて体内に取り込めたのは貴重な体験でした。

信濃町ノマドワークセンターで大自然の中で仕事をしている感覚に

森林セラピーの体験を終えて、午後からいよいよ仕事開始となりました。まずはこの信濃町ノマドワークセンター、すごくオシャレな建物でビックリしました。中に入ってみると、森の中に溶け込んでいるような感じもありましたね。こんなにも自然を近くに感じられるところなのだと。

そして、ここでも森林セラピーで発見した自然の音がたくさん入ってくるんですよね。窓のすぐ先にある木からは風で葉が揺れる音もよく聞こえてきましたし、動物や虫の鳴き声はもう種類が多すぎて分からないくらいたくさん聞こえました。しかしこれがまた不思議で、よく聞こえるのに全く騒がしくなくて、すごく心地良い感じでした。普段だと自動車の音や電子音ばかりで、意識としてはなるべく聞かないようにしていたのかもしれませんが、それでも入ってくる音に不快感すらあったような気がします。音の大きさなどではなく、音そのものの違いなのでしょうね。

実際に仕事をしてみたところ、Zoomでのオンラインミーティングに入ってしまえばそのミーティングに集中するので、むしろ自然の中にいるという感覚をあまり感じない気がしました。とはいえ、ちょっとしたタイミングでふと外の森を見たり虫の鳴き声を耳にすることで気持ち的にリラックスできた部分はあったかと思います。

一方、10月以降の戦略を考えるなど一人でじっくり取り組む仕事や、同じく体験をしている人と会話したときに関しては、とてもポジティブな気持ちでリラックスした状態で取り組めたと感じています。このあたり、ワーケーションをうまく活用するには、そこでどんな仕事をするのかを事前に調整しておくことでより高い効果を期待できるのかもしれません。少なくとも、テーマを決めてじっくり取り組むような仕事や、チームメンバーとディスカッションするような仕事はかなり向いているのではないかと思いました。

もう一つ仕事をしてみて感じたことは、普段の仕事はオフィスでも自宅でもPCの中に入って仕事をしている感覚が強かったように思いますが、ここでは自然の中で仕事をしているという認識を常に持てていたように思いました。これは非日常で新鮮だったのかもしれませんが、そう考えるとこうやって場所を変えて仕事することで、新しいことをつくる仕事や未来を考えるような仕事にはすごく向いているのだろうと思いました。

ちなみにこちらでのワーケーションをSNSでシェアしてみたところ、かなり多くの反響がありました。こんな環境で仕事してみたらどんな発見があるのか、多くの人がこの未知なる領域に興味を持ったのだと思います。

ワーケーションは生産性を上げるための選択肢の一つ

今回自ら体験してみて、改めてワーケーションについて考えてみました。これは恐らく多くの人が捉えるであろう、バケーションにワークを持ち込むという捉え方になると、どうしても遊びの要素が目立ってしまうところがあるように思います。

ただ、会社組織として大事なのは生産性の高い仕事ができるかどうかなのですよね。生産性の高い仕事をするために、時間や場所は柔軟に考える必要があり、結果としてそれがオフィスでも自宅でもカフェでも大自然でもいいのだと思います。究極、ワークがバケーションにあろうがオフィスにあろうが関係ないということですね。

これはここ数年のネット環境の向上によって一気に選択肢が増えたので、まだまだ正解が何なのか分かっていない組織、人が多いと思うので、色々と試してみたらいいと思っています。生産性を上げるための働く場所の選択肢として、大自然を取り入れたワーケーションもその一つだということですね。自分にとってどんな環境が快適だと感じるのか、それで生産性が上がるのか、まずはそれを知ることがスタートだと思います。

私は体験してみて、精神的にとてもリラックスした状態で仕事ができたと自分で感じているので、プラス面が多かったと思っています。今後さらに探求するために、ワーケーションでのワークのアウトプットがどうだったのか、どう評価されるのか、そこを見ていかないといけません。また、これをチームで試してみた場合にどうなるのかも大変興味深いと思っています。

これだけ生産性向上が叫ばれている時代です。経営層やマネジメント層は、いかに組織の生産性が向上して、良質なアウトプットが出せるようになるのか、探究し続けなければならないと思います。そのときにワーケーションがうまく活用できるのかどうか、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。

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コロナ禍で加速した「幸福度」の低減を埋める選択肢としてのワーケーション

Natures.編集部より

Nature Serviceは自然と融合した法人向けレンタルオフィススペース、信濃町ノマドワークセンターを運営しています。30人強を収容できるワークスペースを有し、近年大きな注目を集めているリモートワークやワーケーションを実践できる施設です。また、起業家や経営者の方々が落ち着いて働けるように、1~3人程度の少人数でご利用できるエグゼクティブ向けのワークスペースもご用意しております。さらに、ノマドワークセンターのある敷地内にはやすらぎの森オートキャンプ場が併設されています。ワーケーションのなかにキャンプを取り入れ、ぜひ、皆さまには新しい働き方の1つとしてご利用していただけることを願っております。都会と変わらない作業やネット会議を行いながら、時折施設周辺を散歩し、木々や葉っぱの擦れる音、鳥たちの鳴く声に耳を傾け、生産性や創造性などの知的労働生産性の高まりを肌で感じ取ってみてはいかがでしょうか。

信濃町ノマドワークセンター

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