Netflixで公開されているドキュメンタリー映画「ミッション・ブルー」。海に魅了された一人の海洋学者「シルビア・アール」が母なる海を守るために精力的に活動してきた記録をつづります。

今回は、ミッション・ブルーを観て感じたことや内容をまとめました。

広大で無限とも感じられる「海」は、人間とどのように関わり、それによってどのような危機にひんしているのでしょうか。

映画のあらすじ

ミッション・ブルーの主人公シルビア・アールは引っ越しを機に、幼少期をフロリダのメキシコ湾沿いで過ごしました。青く美しい海は神秘的な雰囲気をかもし、シルビアや彼女の両親を魅了したそうです。

しかし時代は進み、産業が発展していくとともに海の美しさは減少していきました。また、2010年には、原油を輸送する船の爆発事故によって、大量の油が海に流れ出したのです。この事故で、海や海で暮らす生き物たちに多大な危険が及んだことはいうまでもないでしょう。

加えて、私たち人間は長い間、海を「無限」の産物であると考え、魚を乱獲したり、ごみを捨てたりしました。

シルビアは幼少期に経験した美しい海を取り戻すために世界中の海を研究し、海が鳴らす警鐘の音を私たちに伝えてくれています。

「無限」であるとの誤解が海を破壊する原因になる

海は地球上で約70%の面積を占めており、生き物にとって欠かせない存在です。海は酸素を作り出し、二酸化炭素を吸収します。魚やサンゴ礁などの生物以外にも必要不可欠なものなのです。

しかし人間は、海を「無限」であると誤解し、ごみを捨て、魚を大量にとり続けました。その結果、現在生息する太平洋クロマグロは残り5%、サメは残り10%、北大西洋産タラは残り5%であるとされています。

また、海には地球上の気温を調節する役割もあります。しかし、人間が海を汚し、さらには森林や化石燃料を消費し続けることで気候システムが狂い始め、近年では世界各地で温暖化や自然災害が問題となっています。

シルビア・アールがかつてみた海とは

あなたが海に潜ったことを想像した時に、どのような海中をイメージしますか?そこには色とりどりの魚やサンゴ礁が広がっているのではないでしょうか。

シルビアは子ども時代に「海に恋した」といいます。当時のフロリダにはありのままの自然がたくさんありました。ウィキワチーという川の源流には美しい泉があり、のぞき込むと吸い込まれるような青い泉だったといいます。そして湧き出る水は湾に注ぎ込まれ、やがて海へと流れていくのです。

あの頃の水中はまさに楽園だったそう。

しかし現在では、メキシコ湾をはじめとして、どんなに遠くて深い海の中でも、人間が捨てたごみが見つかります。シルビアは美しい場所が人間の影響で変わってしまう歴史を目撃したのです。

「サンゴ海」と呼ばれる海域でも多くのサンゴ礁が死に、そこを住み処とする魚たちの姿も消え去っています。「世界のサンゴ礁の半分が消えた」とシルビアはいいます。

海は決して無限ではありません。海は私たちが生きていく上でなくてはならない存在です。そしてそれを守るためには、海への配慮が必要不可欠なのです。海で何かを行うときには、海を枯渇させない方法を最初に考えることが必要です。

まとめ

海はたくさんの生物の家であり、気候を調節する重要な役目をもっています。私たちを取り囲む海は、まさに生物の母であり、運命共同体なのです。

しかし、人間による勝手な破壊行動によって海は危機にひんしています。人々がこの現実を知らないままでは、いずれ海は死んでしまうでしょう。人間には地球のバランスを変えるほどのパワーがあるのです。

近年、世界中で異常気象による自然災害が発生しています。

人間に地球を変えてしまう力があるならば、この力を使って破壊を食い止めましょう。海や地球がどのように変わりつつあるのか、関心を持つことが重要です。未来の海を守るためには、「今」が行動をはじめる時なのです。

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