ブナ林で有名な白神山地周辺では、実はブナ林散策以外にもさまざまなアクティビティを体験できます。多彩なアクティビティの検索や予約が簡単にできる「白神カレンダー」から、今の暑い季節にぴったりの水上アクティビティに挑戦!
水上アクティビティというと、SUPやシーカヤック、他にも色々と思い浮かびますが、今回は青森県西目屋村(にしめやむら)の横を流れる、白神山地を水源とした岩木川をゆったりラフティングで下る、『白神・目屋渓谷でラフティング〜子供も大人も、みんなで水遊び!〜』に参加してきました。
ラフティング体験の前準備
朝、9時に岩木川が近くを流れる西目屋スポーツ交流センターに集合し、早速建物の中へ。
まず、ガイドさんから一通りの説明があったところで、ウェットスーツやヘルメット等を着用し、早速岩木川の上流に車で移動しました。集合場所の西目屋スポーツ交流センターがゴールとなります。車に乗り込む際、「頑張ってここに戻ってくるぞ!」と心の中で気合を入れました。
岩木川上流に到着し、車からボートを下ろした後、ガイドさんから楽しみ方や注意点等、詳細な説明を受けます。私は、ラフティングをするのが初めてでしたので、うまく漕(こ)ぐことができるのかずっとドキドキしていました。でも、ガイドさんが冗談交じりにおもしろおかしく説明してくれたので、シンプルに楽しむぞ!という気持ちになれました。
ワンチームとして出発!
いよいよ、皆でボートに乗り込みます!乗り込む際、膝の高さくらいまで川の水に浸かったのですが……ヒャッ、冷たい!川の水がじんわりとウェットスーツの中に入ってくるのです。もう7月でしたが午前中ということもあり、心が折れそうなくらい川の水が冷たくて、思わずブルッと震えてしまいました。
約1週間前の大雨の影響で川の水が濁ってしまっていたのが少し残念でしたが、気持ちを切り替えていざ!出発!
早速、ガイドさんから説明を受けた、パドルを手前から後ろに漕ぐ「前漕ぎ」と後ろから手前に漕ぐ「後ろ漕ぎ」を試しにやってみました。「いち、に、いち、に」の掛け声とともに、パドルで漕いでいきます。実際漕いでみると、川の水が重く、また不安定な体勢で漕がないといけなかったので、翌日の腰と腕の筋肉痛が心配でした。
一通り漕げるようになったところで、全員の士気を高めるために、「ハイファイブ」と呼ばれるパドルのハイタッチ!全員で「いえーい!!!」と元気よく、パドルの先端を重ねました。スタートからゴールまで約5kmの冒険のはじまりです。
自然との一体感
基本的には、このようなゆったりとした流れの岩木川を下るので、初心者の私もゆっくりとラフティングに慣れることができました。途中、鳥の鳴き声が聴こえてきたかと思えば、「ブーン」と耳元でアブの羽音が聴こえてきたり……、気温がもっと高くなると、アブの活動が活発化してくるようなので要注意です。
一緒に参加した仲間の1人が何か見つけたようです。一瞬でしたが、動物が顔を出してくれました!あらためて、今私たちは大自然の中にいるのだなと実感した瞬間でした。
しばらく進むと、左側側面に滝が!こちらは村市という地区から流れてきている天然水だそうです。ザーッと勢いよく流れ落ちてきて、目の前でみるととても迫力がありました。
ちょっとしたサプライズ
ゆったりとした流れのところだけかと思いきや、途中このような流れが急な箇所もいくつかあります。
ここで突然ガイドさんが「この先、岩にボートをぶつけながら進むからねー」と。「え、岩にぶつかるの…?」と思った直後、目の前には大きなゴツゴツした岩が!そのまま突撃ーーーー。
先頭に座っていた私は思わず、岩にぶつかる瞬間目を閉じ、誰よりも大きな声で「キャーッ!!」と絶叫。両手は、衝撃で振り落とされないように手綱をしっかりと握りしめていました。
ちなみに私目線だとこんな感じです。目の前の視界が一気に「岩」一色になりました。
実はこの箇所、川が直角に曲がっていて、岩に一旦衝突してからでないと進行方向を変えることができないのです。岩が目の前に迫ってくる体験は、とってもスリリングで、絶叫系アトラクションに近いものがあり、癖になりそうです(笑)。
その後、ゆったりとした流れのところを進み、休憩のため一旦岸に上陸しました。
ガイドさんからリンゴジュースをいただき、ホッと一息。
喉が渇いていたので、とってもおいしくいただきました。
非日常体験を仲間とともに
休憩後の後半戦、いきなり流れが強いところがあり、水しぶきを顔に浴びながら一生懸命パドルを動かしました。思ったよりも勢いがあり、しっかり両手でパドルを持っていないと、押し負けてしまいそうでした。
出発当初は雲がかかっていた空も晴れ間が見えるようになり、気分の高揚とともに気温も上昇してきて少し汗ばんできました。川の水が冷たくて震えていたのが嘘のよう!
ちょうど暑くなってきたタイミングで、崖の上から飛び込むダイビングスポットを発見!
高さ約5mの崖から、水深約4mの川に飛び込みます。
下から見ていたときは、暑いし早く飛び込みたい!と思っていたのが、いざ上に登ると意外と高いなあ…と。思わず怖くて足がすくんでしまいました。
一通りガイドさんから注意事項の説明を受けた後、なんとか勇気を振り絞り、ピョーンと左足を一歩前に!実際の滞空時間は1秒ほどだったのですが、私にはもっと長く飛んでいたように感じました。
自分ではうまく飛べた!と思っていたのですが、実際にはお尻から「ドボーーーン」と着水してしまい、周囲に大きな波紋ができてしまいました。
飛び込んだ後は、すぐに頼もしいガイドさんが来てくれるので安心です。ぜひみなさんも勇気を振り絞って飛び込んでみてください!気分爽快になります!!
ゴールまで残り少しというところで、流れがとてもゆったりとした場所がありました。
ここで、ガイドさんからパドルを使ったゲームを提案され、まずは女性2人で勝負!
ルールは、お互いのパドルの取っ手を引っ掛け、それを軸にゆっくりと後ろに倒れていき、最終的に水面に頭をつけるというものです。お互いの信頼関係が試されるゲームであり、途中まで粘りましたが、最後は2人揃って頭から川に落ちてしまいました。
一方、男性陣は、「よーいどん」の掛け声とともにすぐに川にドボンしてしまいました……。
ゲームのあとは、ゆっくりとゴールまで進み、無事集合場所の西目屋スポーツ交流センターに到着。最後はみんな笑顔で記念撮影をしました。
まとめ
白神山地でのラフティング体験は、白神山地を源流とする清流「岩木川」をゆったりと下ることができる貴重なアクティビティです。一緒に参加した仲間で体験する初めてのラフティングは、ゆったりとした流れの中を同じタイミングで同じ方向に「いち、に、いち、に」の合図とともに漕いだり、時には流れの速いところを協力して乗り越えたりと、お互いの絆を深めるとても良い機会でした。ぜひみなさんも白神山地でのラフティング体験を通じて、家族や友達との絆を深めてみてはいかがでしょうか。
🌳白神山地が世界自然遺産に登録された納得の理由!🌳
青森県と秋田県に広がる約13万ヘクタールの広大なブナ天然林は、人間の手がほとんど及んでおらず、8千年以上にわたりその状態が保たれています。この原生的なブナ林は世界最大級の規模を誇り、それが1993年に日本初の世界自然遺産に登録された理由となりました。ここには540種以上の植物、4000種以上の動物が生息し、希少な種も含まれています。これほどの規模の原生林は世界でも珍しく、環境保護の観点からも世界的に高く評価されている場所なのです。
NPO法人 Nature Service
「自然(Nature)に入ることを、もっと自然(Naturally)に。」をテーマに活動する広域のNPO法人です。
Nature Service / Our non-profit organization operates under the theme of “Touching nature naturally”.