週末や長期休暇を利用して、自然豊かな場所に足を踏み入れたいと思ったことはないでしょうか?自然を満喫できるスポットは数多くありますが、なかでも日本の国立公園には特別な魅力があります。今回は国立公園のなにがスゴイのか、その魅力を一緒に探ってみましょう。魅力がわかると、次のお休みの旅先候補にきっとしたくなるはずですよ。

そもそも国立公園とは?

阿寒摩周国立公園(撮影:Nature Service)

一般に国立公園とは、その国の代表的な自然風景や生物多様性、もしくは文化的価値を持つ地域を指し、各国が設定した規則や法律によって管理されている公園を指します。これは、訪れる人々が自然の魅力を体験し、その重要性を理解するため、また、将来の世代へと大切な自然環境を引き継いでいくためです。

つまり、国立公園の存在意義は、旅行やアクティビティ体験だけでなく、生物多様性、環境教育、さらには地域開発にも大きく関わっています。

日本の国立公園

十和田八幡平国立公園(撮影:Nature Service)

日本の国立公園は国が直接管理する指定公園で、指定の要件は以下のように説明されています。

同一の風景型式中、我が国の景観を代表すると共に、世界的にも誇りうる傑出した自然の風景であること

歴史と制度 環境省HPより

つまり、

  • 同じようなタイプの大自然の中でも、これぞニッポン!と言えるすばらしい場所
  • さらに世界中からもスゴイ!と言われるような自然の風景があるところ

ということになります。世界にも誇れる風景がある場所と聞くと、行ってみたい気持ちになりますね。

世界の国立公園

世界の国立公園も日本同様、それぞれの国が持つ独特の自然環境や風景を保全しつつ、人々がその価値を一緒に楽しめるように管理・運営されています。初めて国立公園制度が設けられたのは、アメリカの「イエローストーン国立公園」。1872年に指定されました。

現在では世界中に2000以上の国立公園が存在し、プリトヴィッツェ湖群国立公園(クロアチア)、グランドキャニオン国立公園(アメリカ)、コリ国立公園(フィンランド)など、さまざまな山岳や海域が国立公園として指定されています。

日本の国立公園一覧

日本の国立公園一覧です。知っている名前はいくつありますか?

利尻礼文サロベツ国立公園北海道
知床国立公園北海道
阿寒摩周国立公園北海道
釧路湿原国立公園北海道
大雪山国立公園北海道
支笏洞爺国立公園北海道
十和田八幡平国立公園青森県・岩手県・秋田県
三陸復興国立公園青森県・岩手県・宮城県
磐梯朝日国立公園山形県・福島県・新潟県
日光国立公園福島県・栃木県・群馬県
尾瀬国立公園福島県・栃木県・群馬県・新潟県
秩父多摩甲斐国立公園埼玉県・東京都・山梨県・長野県
小笠原国立公園東京都
富士箱根伊豆国立公園東京都・神奈川県・山梨県・静岡県
南アルプス国立公園山梨県・長野県・静岡県
上信越高原国立公園群馬県・新潟県・長野県
妙高戸隠連山国立公園新潟県・長野県
中部山岳国立公園新潟県・富山県・長野県・岐阜県
白山国立公園富山県・石川県・福井県・岐阜県
伊勢志摩国立公園三重県
吉野熊野国立公園三重県・奈良県・和歌山県
山陰海岸国立公園京都府・兵庫県・鳥取県
瀬戸内海国立公園兵庫県・和歌山県・岡山県・広島県・山口県・
徳島県・香川県・愛媛県・福岡県・大分県
大山隠岐国立公園岡山県・鳥取県・島根県
足摺宇和海国立公園愛媛県・高知県
西海国立公園長崎県
雲仙天草国立公園長崎県・熊本県・鹿児島県
阿蘇くじゅう国立公園熊本県・大分県
霧島錦江湾国立公園宮崎県・鹿児島県
屋久島国立公園鹿児島県
奄美群島国立公園鹿児島県
やんばる国立公園沖縄県
慶良間諸島国立公園沖縄県
西表石垣国立公園沖縄県
環境省HPの情報を元に作成

国立公園には行ったことがないと思っている方でも、地名を眺めてみると実は足を踏み入れていた!ということに気がつくかもしれませんね。

日本の国立公園の魅力とは

阿寒摩周国立公園(撮影:Nature Service)

国立公園の魅力

日本の国立公園の魅力とはなんでしょうか? 一見するとただの自然スポットに過ぎないように思えるかもしれません。でも、その魅力は知れば知るほど奥深く、言葉では説明できないほど深いものがあります。美しい景色や貴重な体験は一生ものの思い出となるでしょうし、思わず誰かに話したくなるような驚きと感動が国立公園ひとつひとつに詰まっています。

たとえば、知床国立公園。流氷やホエールウォッチングが見どころのひとつで、そこで見た感動は宝物になるでしょう。でも、流氷やホエールウォッチングを日光国立公園で体験することはできません。その代わり、社寺をはじめとする歴史的建造物と自然の融合に別の感動を覚えることと思います。海の生き物ひとつとっても、瀬戸内海国立公園ならカブトガニ、屋久島国立公園であればアカウミガメといった、まったく異なる生態系に触れることができ、同じ体験はひとつとして存在しないと言って良いほど、多様性にあふれています。また、国立公園のなかには私有地が含まれる地域もあり、伊勢志摩国立公園では区域の96%が私有地、といったおもしろい発見もあります。

34カ所あるうちのひとつを訪れたとしても、残りの33カ所の国立公園にはまったく別の空間が存在し、それぞれに違った魅力を体験できるというわけです。

国立公園の魅力を見つける方法

国立公園に関する情報を探すなら、まずは環境省のページを見るのがおすすめ。気になる国立公園を見つけたら「見どころ・施設」のページをながめてみましょう。

風景や植物、生き物などの見どころがまとまっていて「何が楽しめるのか」や「魅力」が簡単にわかります。特に見逃してはもったいないのが「文化・くらしにふれる」の部分。足摺宇和海国立公園の「段畑」(段々畑)、山陰海岸国立公園の「らっきょうの花畑」、大山隠岐国立公園の「イカ干し」など、生活の知恵から生まれた文化や暮らしが存在しているのがわかります。その「存在理由」を実際に見て、知ることで、単に美しい景色を楽しむだけでなく、その土地の歴史や背景、人々の営みまで理解することができます。

国立公園を訪れて「自然がきれいだったなー」という体験や感想はもちろん大切ですが、それにとどまらず、その土地の伝統や文化・暮らしも合わせて知ると、本当の日本の魅力にたどり着けます。

国立公園で何をしよう?

霧島錦江湾国立公園(撮影:Nature Service)

さて、国立公園の魅力がわかったところで何をしたいですか?

真っ先に浮かぶのは「観光」ですね。何をして遊べるのか、どういった体験ができるのか、といったところが気になると思います。参考になるのが環境省の「国立公園ならではの体験をしよう!」というページ。さまざまな体験がカテゴリー分けされており興味に応じた自然体験コンテンツを簡単に探せます。キャンプやダイビングなどをアクティブに楽しむもよし、食や伝統・文化で知識を養うもよし。

興味深いのは、カテゴリーの中に「ワーケーション」があり、遊びだけではなく仕事の場としても国立公園をすすめている点です。豊かな自然のなかで働くことには、実はたくさんの効果が期待できます。仕事のパフォーマンスを上げながら同時にリラックスもでき、しかも、すぐに遊びにも行けちゃうんです!「国立公園でのワーケーションの魅力」では、実証実験の効果を紹介していますのでぜひご参考に!

参考:今さら聞けない「ワーケーション」働き方と生き方の可能性を広げよう!

また、「リラックス」や「健康」と、国立公園の訪問は、実は相性が良いかもしれません。「データで見る国立公園の健康効果とは?」では、国立公園で期待できる森林浴や温泉の効果、ストレスの緩和、さらには子どもの成長にもたらす影響について詳しく解説しています。疲れが溜まっている、イライラする、落ち込むなどを自覚している方だけではなく、なんだか最近ひどく疲れている家族や友人を誘って行ってみるのも良さそうです。

まとめ

「国立公園」と聞くと、思わずグランドキャニオンやイエローストーンなど海外の国立公園を思い浮かべて、行ってみたい!と思うかもしれません。でもその前に、日本の国立公園を一つでも二つでも訪れてみてください。海外の国立公園もとても魅力的ですが、まずは日本の自然美に触れ、その魅力を体感することをおすすめします。

日本の国立公園は海外と比べてもアクセスが非常に良い場所が多く宿泊施設も充実しているので、日帰り旅行だけでなく、ゆっくりと滞在を楽しむこともできます。

五感を刺激し、心と体をリフレッシュしてくれる日本の国立公園。体いっぱいに日本の自然美を浴びに、お出かけしてみませんか?

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