日本のあちこち、世界のそこかしこに洞窟がありますが、どのようにして作られるのか知っていますか。一口に「洞窟」と言ってもその種類や成り立ちはさまざまです。今回は「7 Different Types of Caves (Images + Interesting Facts)」と「How Caves Are Formed: A Clear Exploration of Geology Behind Them」の記事を参考に、洞窟はどのようにしてできるのか、どんな種類があるのかを紹介します。

洞窟の成り立ち:自然の力が生み出す奇跡

洞窟の成り立ちには、いくつかの自然現象が関係しています。

「溶解」

石灰岩のように水に溶けやすい岩が、地下水や雨水で溶かされる作用です。雨水や地下水にはわずかな炭酸ガスが含まれていて、それが石灰岩に触れると化学反応を起こして少しずつ溶けていきます。このプロセスが何千年、何百万年も続くことで、大きな空洞、つまり洞窟が作られます。洞窟が形成される方法の中で「溶解」が最も一般的で、世界中の多くの洞窟がこのプロセスで作られています​。

鍾乳洞も、溶解作用によってできる洞窟の一種です。地下水が石灰岩を溶かし、その中に含まれる炭酸カルシウムが洞窟の天井や床に染み込んでいきます。長い年月をかけて水が蒸発し、炭酸カルシウムが固まることで、鍾乳石や石筍(せきじゅん)といった美しい形が洞窟内に作られます。

「浸食」

雨水や風などが長い年月をかけて岩を少しずつ削り取る作用です。風が砂や小石を運んで岩に当てることで岩石が削られたり、海沿いや川の近くでは海水や川の流れが岩にぶつかって岩を削り取ったりすることで洞窟が作られていきます。削られた岩がアーチ状になったり、海岸沿いに大きな開口部ができて、その中に小舟で入れるような独特の形の洞窟になったりすることもあります。

「火山活動」

火山が噴火すると、溶岩が地表に流れ出します。最初に地表の溶岩が冷えて固まり硬い岩に変わります。一方、内部の溶岩はまだ熱いので液体の状態で流れ続けます。すると溶岩の流れが止まったときには内部には空洞が残っており、これが洞窟となります。

その他にも、氷河が動いたり地層がずれたりすることで洞窟ができることもあります。

洞窟の種類:地質学的特徴に基づく分類

洞窟は、どのような岩や自然現象によって作られたかで分類されます。代表的な洞窟の種類としては、石灰岩が地下水で溶解されることでできた「石灰岩洞窟(カルスト洞窟)」、火山の溶岩が冷えて固まる過程でできた「溶岩洞窟」、海水が岩を削ることで海岸にできた「海蝕洞窟」(かいしょくどうくつ)、氷河の中や下の氷が溶けることでできた「氷河洞窟」などがあります。

まとめ

洞窟の種類や成り立ちを知ると、悠久の自然の美しさや壮大さを感じますね。洞窟に行ってみたくなったという方は、「大自然のダンジョン~洞窟に行ってみよう!~」や「洞窟をつき進め!ケイビングを楽しもう!」の記事を参考に、観光として、あるいは冒険として楽しんでみてはいかがでしょうか。

(参考)
7 Different Types of Caves (Images + Interesting Facts)
How Caves Are Formed: A Clear Exploration of Geology Behind Them