海を彩る美しいサンゴ礁。このサンゴ礁が激減しているのをご存じでしょうか。地球上のサンゴ礁は30年前に比べて40〜50%も減少しています。海洋環境の維持や人々の生活・経済にも関わりの深いサンゴ礁。この危機を食い止めることは喫緊の課題です。

今回は「THE WORLD’S CORAL REEFS ARE DYING – HERE’S HOW WE’RE FIGHTING TO SAVE THEM」と「Ten Simple Things You Can Do To Protect Coral Reefs」の記事を参考に、サンゴ礁の役割や破壊の原因、そしてサンゴ礁を守るために私たちにできることを紹介します。

サンゴ礁の役割

サンゴ礁は、海の生物多様性に大きく貢献しています。ひとつのサンゴ礁には、魚類や藻類など多種多様な種が生息しています。海洋生物にとってサンゴ礁は家のようなものなのです。また、サンゴ礁が海洋生物を育んでくれるおかげで、漁業や観光業も成り立ちます。世界中で600万人の漁師がサンゴ礁の恩恵を受けていると推定されており、地域経済にとってサンゴ礁は欠かすことのできない存在です。

それだけではありません。サンゴ礁は自然の防波堤として高波や高潮から海岸を保護する役割も持っています。サンゴ礁がなければ海岸付近の地域はハリケーンなどでより大きな被害を受けることになるでしょう。

関連記事:映画「ミッション・ブルー」レビュー:今私たちを取り囲む海がひんしている危機とは

サンゴ礁の破壊の原因

サンゴ礁が減少していく原因はいくつかあります。一つは、海洋温暖化です。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は地球温暖化に関する報告書の中で、海水温度が1.5度上昇することで70〜90%のサンゴ礁が死に、2度上昇するとすべてのサンゴ礁が死滅する可能性があると指摘しています。

また、大気中の二酸化炭素が増えることにより引き起こされる海洋酸性化も大きな原因です。サンゴ礁は酸性化した海では骨格を形成することができません。そのため、30年後には15%のサンゴ礁しか適切に成長できないと考えられています。

その他にも、魚の乱獲による海洋環境の破壊や、漁業や観光業で使う船や網などがサンゴ礁を傷つけるという物理的な原因もあります。

関連記事:魚介類の乱獲で水産資源がピンチ?SDGsの取り組みから漁業の現実を見つめ直す

サンゴ礁を守るためにできること

科学者や活動家は、サンゴ礁を守るための海洋保護区を作ったり、熱に強いサンゴ礁を増やすための遺伝子組み換えの研究を行ったりするなどさまざまな取り組みを行っています。では、私たちにはどのようなことができるでしょうか。

まずは、ライフスタイルを変えることから始めてみましょう。節水を意識することは、海の水質を悪化させないことにつながります。車ではなく自転車や徒歩で移動することで、二酸化炭素を減らすことに貢献できます。また、乱獲の危険性がある魚介類を食べない、海の汚染物質となるプラスチックを使わないなどできることはたくさんあります。さらに一歩踏み込んで、サンゴ礁を保護する慈善団体に寄付したり、ビーチや川の清掃ボランティアに参加したりすることもできます。

地球上のサンゴ礁は、今、深刻な危機にさらされています。サンゴ礁を救うために私たちにできることはあります。手遅れになる前にできることから取り組んでいきましょう。

(参考)
THE WORLD’S CORAL REEFS ARE DYING – HERE’S HOW WE’RE FIGHTING TO SAVE THEM
Ten Simple Things You Can Do To Protect Coral Reefs

コメントを残す