長時間の作業や考え事のし過ぎで、「脳が疲れたー!」と感じることはありませんか?そんな疲れた脳を癒やすヒントが自然にあるというニュースは度々耳にしますが、実はそれを脳波の測定によって科学的に証明したという研究があるのです!

今回は自然のなかで脳波がどのように変化するのかを調べた、ヘリオット・ワット大学(スコットランドのエディンバラ)の研究チームの成果を皆さまにご紹介しましょう!

Emotiv EPOC と EEGデータを使用して測定

Nature’s Therapyの記事によると、この研究が発表されたのは2013年。Emotiv EPOCという神経信号を送るヘッドセットとEEGデータ(electroencephalography=脳波図)が、自然と脳波の関係性の解明をはじめています。

調査はこんな風に行われたそうです。まず参加者はEmotivを頭部に装着し、外部からは見えないように帽子をかぶります。そして背中には、Emotivで測定された脳波データ(EEG)を記録するノートパソコン入りのバックパックを背負いました。

次に、エディンバラにある下記3カ所を、記載順に各々のペースで歩きました。

  1. ショッピングセンター:歩行者は多いが交通量は少ない
  2. 緑地のある公園
  3. ビジネス街:コンクリートで出来た建物ばかりで、ひどく混雑していて交通量も多い

1つの場所を歩く所要時間はほぼ均等になるように調整されており、参加者たちは早くも遅くもないそれぞれのペースで歩みを進め、おおよそ25分で歩き切ったそうです。

その結果がどうなったかというと……

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自然ってスゴイ!!

3カ所を歩いた参加者たちの脳波を分析した結果、公園を歩いたときだけ心の静まりが増大し、なおかつ気分の沈み込みや苛立ちの減少が確認できたそうです。つまり、自然のなかに入ると、脳の疲れが癒やされたという結果になったのです。これは他の2つの場所(ショッピングセンターとビジネス街)では見られなかった結果でした。

ショッピングセンターとビジネス街を歩いている時の脳波は、外部からの刺激に反応して興奮状態となり、フラストレーションを感じているような状態だったそうです。

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自然で脳をリフレッシュ!

ストレスが溜まったとき、考え過ぎて疲れたとき、そんなときはちょっと外の空気を吸って気分転換をしようと思うことってありますよね。今回ご紹介した研究結果を見ると、そんな気晴らしのお散歩は、公園など自然の多い場所が断然良いということになります!

特に、「木々が風にそよぐ音」や「小鳥のさえずり」が聞こえるような、自然の優しさを何気なく感じられる場所が脳を休ませるには向いているそうですよ。

また、自然のなかを必ずしも歩かなければいけないわけではなく、ベンチに座ってボーっと眺めるだけでも、脳を休ませる効果はあるそうです。

今回ご紹介した研究結果は、科学的に自然のチカラの素晴らしさを証明し、その良さを改めて私たちに教えてくれたような気がします。脳を少しでも休めてあげることが、心を静めることにつながり、ひいては心の健康につながっていくのです。そんなことを心にとどめて、皆さまもぜひ緑の多い場所へ積極的に出かけてみてはいかがでしょうか?

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Emotivを興味を持った方は、是非 National Geographic 社の映像もぜひご覧ください。

《参考URL》
The urban brain|Nature’s Therapy
(意訳:菊地薫)

信濃町ノマドワークセンター

1件のコメント

  1. ピンバック: 人はなぜキャンプをしたり、キャンピングカーを持ちたくなるのか? | 「ZiL522は我が人生」となれ

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