皆さまにとって、「このキャンプ場良かったな。」「また来たいな。」と思わせてくれるキャンプ場はどんなところですか?
北米キャンプレポート2016(THE 2016 NORTH AMERICAN CAMPING REPORT, Kampgrounds of America, Inc.)の第6弾となる今回は、北米キャンパーがキャンプ場を評価する際に重視しているポイントをご紹介します。また、あわせて日本のキャンパーがサービスや施設面でキャンプ場にどのようなことを求めているのかという点についてもご紹介し、北米と日本の共通点や相違点についても考えてみましょう。
北米のキャンパーはこんなところを評価している
北米キャンプレポート2016によると、北米キャンパーはキャンプ場を評価する際、「清潔で管理の行き届いたトイレとバス」を最重要ポイントとして挙げており、2年連続して(2014年:50%、2015年:47%)トップとなりました。トイレやバスは誰しもが利用する場所なので、キャンプ場に限らず清潔感を重要視する気持ちが理解できる人も多いのではないでしょうか。
次いで、「ガイドなしで楽しめるレクリエーションの存在」が2番手に入り、2014年には17%だったにも関わらず、2015年には24%にまで急上昇している点にも注目が集まっています。「ガイドなしで楽しめるレクリエーション」の具体例は何かというと、「ピクニック、バードウォッチング、たこ揚げ、ウォーキング/ハイキング、プール、野生生物の観察、自転車、カヌー」などが北米キャンプレポートのなかで挙げられています。
出典:『THE 2016 NORTH AMERICAN CAMPING REPORT』, pg.27
その他の項目では、「ペット可/ペットエリア有」、「子連れでの行きやすさ」、「無料Wi-Fi」などが20%前後を獲得しており、こういった点を北米キャンパーの皆さんは評価のポイントとして重要視しているようです。
北米と日本のキャンパーの共通点/相違点
北米と日本では調査媒体も質問内容も異なるため、同じ内容を単純に比較することは難しいですが、日本オートキャンプ協会が発表している『オートキャンプ白書2015』を参考にすると共通点や相違点があることが見えてきます。
『オートキャンプ白書2015』では「キャンパーがキャンプ場に求めるもの」と題して、サービス面と施設面、それぞれでアンケートをとっています。サービス面では「トイレなどの行き届いた清掃」(88.8%)を求める声が突出しており、この点に関しては北米、日本ともにキャンパーの共通意見となっているようです。また、施設面では「水はけが良いサイト」(48.2%)を求めるキャンパーが多いようです。
北米と日本のキャンパー、どちらも「トイレの清潔さ」を非常に気にしているということがそれぞれの調査から明白ですが、実はそれ以外の共通点はあまり見当たりませんでした。たとえば、北米キャンプレポートで上位に位置していたペットや無料Wi-Fiなどの項目は、『オートキャンプ白書2015』では見当たらない、もしくは下位に位置していました。
逆に、『オートキャンプ白書2015』では「スタッフからのアドバイス」(27.3%)、「スタッフからのマナーの指導・注意」(25.7%)といったところが上位に入っていたのですが、北米キャンプレポートでは「専門スタッフ/熟練スタッフの存在」を評価する声は7%にとどまり、「スタッフの存在」はそこまで重要視されていない様子がうかがえました。
北米と日本では文化や生活様式が違うこともあり、全体的にはキャンプ場に求めるものは異なる点の方が多いのかもしれませんが、「トイレは清潔であって欲しい」と願う気持ちはどちらの国でも非常に強いようですね。キャンプ場に対する要望や考え方はさまざまだとは思いますが、この結果を見て皆さまはどのようにお感じになられましたか?
《参考》
–THE 2016 NORTH AMERICAN CAMPING REPORT|Kampgrounds of America, Inc.
(本文掲載のグラフはKampgrounds of America, Inc.さんより使用許可をいただいております。)
(意訳:菊地薫)
–日本オートキャンプ協会、『オートキャンプ白書2015』、28-29頁
Nature Serviceのウェブメディア NATURES. 副編集長。
自然が持つ癒やしの力を”なんとなく”ではなく”エビデンスベース”で発信し、読者の方に「そんな良い効果があるのなら自然の中へ入ろう!」と思ってもらえる情報をお届けしたいと考えています。休日はスコップ片手に花を愛でるのが趣味ですが、最近は庭に出ても視界いっぱいに雑草が広がり、こんなはずじゃなかったとつぶやくのが毎年恒例となっています。