海外の自然を求めて旅をしたいなと考えたとき、広大な土地を有するアメリカ、カナダ、オーストラリアなどを旅先として真っ先に思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。しかし、実は日本からとても近い台湾に、豊かな自然があふれていることを皆さまはご存知でしょうか。
今回は台湾のなかでも南部に注目し、「Why Kenting Should Be Your Next Undiscovered Destination」からその魅力をご紹介したいと思います。
南部は国のふるさと
日本と同じ島国の台湾。どの地域を目的地とするかによって多少の差はあるものの、東京から飛行機で約4時間。福岡からだと2時間30分ほどで到着します。これまで台湾は、隣国である中国や日本の陰に隠れ、観光地としては過小評価されることが多かったそうですが、今では台湾のすばらしさを知った観光客が数多く訪れる地となりました。
とは言え、観光客の目的は国の中心地である台北である場合がほとんど。しかし、台湾に住む人たちは、北部が国の中心であることは理解しつつも、南部こそが国のふるさとであると感じているようです。
台湾南部には今でも先住民のコミュニティが多く残り、台湾の方言が現在も使われる地域として知られています。南部のなかでも注目すべき場所は、熱帯性の気候で青々とした自然が残る都市、屏東県(へいとうけん)。台湾最南端にあるこの地は三方を太平洋に囲まれ、豊かな自然であふれています。
「墾丁」には自然が満ちあふれている
屏東県のなかでも、その素晴らしさをさらに高めているのが「墾丁」(ケンティン・Kenting)の存在。青い海と白い砂浜。こんなところに南国気分に浸れるリゾート地があったことに驚きます。また、食べ物は安くて美味しいと言われ、夜でも活気にあふれるこの街は、台湾南部の数ある魅力のうちの1つなのです。
せっかく屏東県に行くのであれば「墾丁」を訪れるだけにとどめず、ぜひとも墾丁国立公園も訪れて欲しいとのこと。海や山があるのはもちろんのこと、広大な国立公園内の至る所に個性豊かな地形や自然が広がります。
砂が川の流れのような模様を織り成す「風吹砂」、地底から吹き出す天然ガスが燃えている様子を見ることができる「出火」、石灰岩でできた大地の「龍磐公園」など、挙げればきりがないほど特徴的な自然が見られます。
サーフィンやスキューバダイビングなどのアウトドアアクティビティにも最高の地として知られていますが、単に散策するだけでも次から次へと変化する個性豊かな景色に目を奪われそうです。そして、一日の終わりには、広大な海を前にサンセットを眺めれば、疲れなんて吹っ飛んでしまうのではないでしょうか。
墾丁国立公園の魅力は、ゴツゴツした岩や崖があるかと思えば、広大な白い砂浜や地面を覆いつくす柔らかな緑があり、自然の厳しさが垣間見れる一方で、人がほっとするような優しさも持ち合わせているところのような気がします。
夜市もちょっとした楽しみ!
墾丁国立公園で大自然を満喫したら、夜は「墾丁」の街を訪れてみましょう。夜市の屋台で食べ物を存分に楽しみながら、陽気な地元の人たちと交流してみてはいかがでしょうか。また、ホテルに宿泊するという選択肢はもちろんありますが、キャンプをしながら満点の星を眺めるのもすてきですよ!
「墾丁」は、2012年の米国映画、「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」の撮影でも利用されたほど、大自然多き場所です。次の旅行先を決めかねている人は、ぜひとも候補地に入れてみてはいかがでしょうか。
《参考URL》
墾丁国立公園
Why Kenting Should Be Your Next Undiscovered Destination|VIVA Lifestyle and Travel
Cynthia Chou(意訳:菊地薫)
Nature Serviceのウェブメディア NATURES. 副編集長。
自然が持つ癒やしの力を”なんとなく”ではなく”エビデンスベース”で発信し、読者の方に「そんな良い効果があるのなら自然の中へ入ろう!」と思ってもらえる情報をお届けしたいと考えています。休日はスコップ片手に花を愛でるのが趣味ですが、最近は庭に出ても視界いっぱいに雑草が広がり、こんなはずじゃなかったとつぶやくのが毎年恒例となっています。