楽しかったバーベキューや焚き火の後には必ず後片付けをしなくてはなりません。しかし、後片付けの方法が正しくないと、自然にも次に使用する人にも迷惑を掛けてしまいます。今回は、炭や焚き火の後の迷惑にならない片付け方法をご紹介します。
・片付けなかった場合の危険性
まだ燃焼している炭や焚き火を放置したまま、テントで寝たり、その場を離れたりしたらどんなことが起こり得るか考えてみましょう。
まず1つ目は、火災の危険性です。燃焼している炭や焚き火をそのまま放置していれば当然、火災に発展する恐れがあります。風で火の粉が飛んでテントなどに燃え移る危険性や林間のキャンプ場なら山火事になる可能性すら有り得るのです。そうすると人の命に関わる重大な事故となる危険性もあり、楽しいはずのキャンプが台無しになってしまいます。
2つ目が、環境への影響です。炭は、木を炭化させたものです。化学の元素記号で言うと炭素です。ダイヤモンドとほぼ同じで単一元素であるために、それ以上自然の中で分解されません。自然分解できないので持ち帰ることが必須です。それは、焚き火の薪も同じです。
焚き火の灰は、肥料にもなるとご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、キャンプ場の土に埋めていいかというと、そういうわけではありません。適したタイミングに適した量を使うことで肥料の役割を担う事も事実ですが、キャンプ場は農地や菜園ではありません。皆が多量の灰を埋めてしまうと自然が許容できる量をはるかに超えると容易に想像できますよね。ましてや、自然の中で楽しませてもらっているのですから自分勝手な行動は自然に対して、あまりにも理不尽です。
3つ目が、他者への影響です。テントサイトにやりっぱなしの灰や炭が散らかっていたら、せっかくの景観が台無しになってしまいます。そんなところに自分のテントを張ってキャンプを楽しもうという気持ちにはなれません。他の人の後始末を自分がするなんて、せっかくリフレッシュをしにキャンプに来ているのに、なんだか嫌な気持ちになってしまいます。それは自分の後にキャンプをする人も同じです。
・正しい片付け方
私が普段している片付け方は、火消し壺を利用することです。
燃えている炭でも薪でも火消し壺に入れてしまえば、簡単に消火できます。原理は簡単で、燃焼には酸素が必要ですが、火消し壺に燃えている炭や薪を入れると、やがて酸欠状態となり燃焼が継続できず火が消えます。
この方法であれば、自然に消火するまで待つ必要はなく、自身のタイミングで消火ができます。ただし、ステンレス製の火消し壺は、燃えている炭や焚き火の薪を入れると高温になるため、火傷に注意が必要です。また、地面に直接置くのではなく、難燃シートを下に置いて冷えるまで放置して下さい。火消し壺は、ホームセンターで2,500円から3,000円程度で買えるので持っておいて損はないと思います。荷物は増えますが、車での移動なら大したスペースは取りません。
車以外でのバイクや徒歩でのキャンプで火消し壺を持っていけない場合は、終わりの時間から逆算しましょう。たとえば、夜23時に就寝する場合、余裕をもって夜21時以降は、炭や薪の追加をせず燃やし切ってしまう、というように燃やし終えたい時間を考えて炭や薪の調整をすることが大切です。
・まとめ
楽しいキャンプでは、時に後片付けは面倒と感じてしまうかもしれません。しかし、自然の中で遊ばせてもらっているという感覚や気持ちを忘れずに、感謝の気持ちで後片付けをすると「あー、今日は良いキャンプだったな」と楽しい余韻に浸りつつ後片付けができると思います。「来た時よりも美しく」をモットーに自然の中でぜひ楽しむことを心がけてはいかがでしょうか。
介護の仕事をしながら、1年位前からキャンプやアウトドアにハマってギア集めやストレスが溜まったらお庭でアウトドアやキャンプ場でキャンプしています。介護のコンサルティングやアウトドアやキャンプに関する仕事もしたいと夢見ているおっさんです。