みなさんは、北欧にあるデンマークという国をご存じですか?

デンマークといえば、「世界幸福度ランキング」上位にランクインする常連国で有名ですが、最近ではデンマーク語の「ヒュッゲ(Hygge)」も耳にする機会が多くなったように思います。

「心地がよい時間」や「楽しい雰囲気」などを指す言葉で、家族や友人と集まった際などに「ヒュッゲだね」「ヒュッゲな時間をありがとう」などと幸せな気持ちを表すのです。

このように、満足度の高い人々の暮らしに注目が集まりがちなデンマークですが、実は環境への配慮もとても進んでいる国です。

今回は、世界と日本の食品ロスの実態と、デンマークで開発された食品ロス解決アプリ「Too Good To Go」についてご紹介します。

食品ロスの実態

まだ食べることができるのにもかかわらず、捨てられる食品のことを「食品ロス」と呼びます。
みなさんは世界中で毎年どのくらいの食品ロスがあると思いますか?

農林水産省の調査によれば、毎年、世界中で生産されている3分の1に当たる約13億トンの食品が捨てられているそうです。

そのうち日本が廃棄している食料は約612万トンで、なんと東京ドーム5杯分とほぼ同じ量だそうです。
とても残念ですね。

また、地球温暖化に影響を与える温室効果ガスの全体の10%が、これらを処分する際に発生する、運搬や焼却作業によって排出されています。

「食品ロス」は食品を無駄にするだけではなく、環境にも悪影響を与えるのですね。

「Too Good To Go」とはどんなアプリ?

「Too Good To Go」とは2016年にデンマークで「食品ロス」を減らすことを目的に開発され、現在では世界17カ国で使用されています。

カフェやレストランなどの食品を扱う店と提携し、閉店間際の売れ残った商品を割引にして提供することで、まだ食べられる食品を捨てることを防ぐのです。

私はこのアプリをノルウェーのワーキングホリデー中に利用したことがありますが、パン屋さんやレストランはもちろん、有名コーヒーチェーンも参加しており、人気店の商品は購入するのが難しいほどの人気ぶりでした。

このサービスの面白さは、その日の売れ残りの具合によって購入できる商品が違うので、買ってから袋の中身を見るまで、何が手に入ったのがわからないという点です。

また、アプリで希望の店舗を選び、事前にネット決済し、指定の時間に取りに行くというシンプルな手順なのも人気の理由です。

北欧は日本と比べ物価が高いので、私のようにワーキングホリデーで滞在している人や、留学生などにも嬉しいサービスですよね。

まとめ

デンマーク人がよく口にする「Hygge」という言葉ですが、私が「どういう意味なの?」と聞くと、ある友人はこのように答えました。

「Hyggeの意味を的確な言葉で言い表すのは難しけれど、晴れた日の空がきれいだった時や、友達や家族とキャンドルを灯しながら映画を観ているときの気分がHyggeだよ」

私はHyggeを感じるためには、自分だけが良い状態にあるのでは足りておらず、周りの環境も含め良い状態にあることが必要なのだと感じました。

多くのデンマーク人が環境問題に目を向けているのも、「自然や生き物からいただいた恵をおいしく食べ切る」、「自分たちの美しい自然をこの先も守る」という想いの連鎖がHyggeだからなのかもしれません。

次の『「Too Good To Go」デンマーク発祥の食品ロス解決アプリから学ぶ今日からできる6つのこと』の記事では、アプリが提案している、日本でも私たちが家庭でできる食品ロス減少のヒントについてご紹介しますので、ぜひ併せて読んでみてください。

参照:
https://toogoodtogo.org/en/movement/households
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2010/spe1_01.html

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