抜いても抜いても生えてくる雑草。なかなか憎たらしい存在ですよね。こんなに生命力が強いなら、地球の環境維持にも役立っているのでは?と思い調べてみると、オーストラリアのある農家が、雑草は大気中の炭素を吸収するだけでなく、乾燥した土地を再び緑豊かにするのに役立つことを発見したとのこと。

一方、筆者が住むイギリスでは「Japanese knotweed(イタドリ)」が猛威をふるい、生態系を脅かしています。

自然環境を守るための雑草

昔、オーストラリアで砂嵐が発生し、多くの木を引き裂いて土地を完全にむき出しにしてしまったことがあったそうです。その光景を目の当たりにしたとある農家の男性は、すべての自然環境が独自のシステムを持っていることを学びました。

砂嵐は、土壌を固定する植生がほぼない暑くて乾燥した地域で発生するため、本来の自然システムにできるだけ近づけるように土壌を改善し、地下水を増やし、必要に応じて雑草を含む植生を再構築していきました。持続可能な農業を目指し、肥料と除草剤を極力避け、農場をできるだけ天候に左右されないものにすることを心がけたのです。

雑草の優れた点は、大気から炭素を取り出し、貯蔵できる点です。これは気候変動を制御するのに役立ちます。雑草が、ある地点の自然に対しどのような役割を果たしているのかを理解するまで、抜かないという選択をすることも大切なようです。

生態系を脅かす雑草

一方で、イギリスで猛威をふるっている「Japanese knotweed(イタドリ)」 は急速に広がる厄介な雑草として認識されています。観賞用の園芸植物としてヨーロッパの冒険家を経由してイギリスに持ち込まれましたが、現在、日本のイタドリは侵略的な外来種として扱われています。竹のような茎が地下深くの根茎から出て2.1m 以上に伸び、他のすべての植物の成長を抑制します。

人の手や化学薬品による除去が非常に難しいため、駆除専門業者がいて、家庭ごみとして処分してはいけないことになっています。また、住宅を販売する際には庭にイタドリがないか確認する責任があります。

日本で外来種の問題があるのと同じく、外国でも日本の品種が問題になっているというのは驚きでしたが、生態系の問題は地球全体の問題だと改めて感じました。

たかが雑草、されど雑草。どんな雑草も迷惑でしかないと思っていたけど、自然を守るために必要なときもあるのかもしれません。人間の生活に合わせて無理やり自然を壊すことをせず、共存していきたいですね。そうしたらちょっとだけ雑草がかわいくみえてきたりしませんか?

(参考URL)
https://www.bbc.com/future/article/20190507-weeds-a-surprising-way-to-fight-climate-change
https://www.rhs.org.uk/weeds/japanese-knotweed

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