外に出るのを止めると、体にどんな変化が起こるか考えたことはありますか。太りそう、足腰が弱くなりそう、色白になりそう。

いえいえ、もっとたくさんありますよ。しかも、健康に害を及ぼす深刻な変化も山積みです。この記事では、外に出るのを止めると体に起こる怖い変化を「When You Stop Going Outside, This Is What Happens To Your Body」と「What Really Happens to Your Body When You Stop Going Outside」の記事を参考にご紹介します。

睡眠と覚醒のバランスが崩れる

屋内で過ごして日光を浴びる時間が不足すると、睡眠のリズムが乱れ、夜寝られない、朝起きられないといった問題が生じます。

米国コロラド大学統合生理学科のケネス・ライト教授は、すべての電子機器の使用を制限して屋外でキャンプをするグループと、特に制限なく屋内で過ごすグループを作って比較調査を行い、このことを明らかにしています。

この研究では、一週間にわたり睡眠を誘発するメラトニンというホルモンの分泌量を測定しました。調査の開始段階では、どちらのグループも目覚めた数時間後にメラトニンが上昇し眠気を感じるという時差ぼけのような状態でした。これは、夜遅くなっても部屋は電気で明るく、寝る直前までスマートフォンの光を浴びているという現代人の生活によるものです。人工的な光は体内時計を狂わせ、メラトニンの分泌にも影響を与えているのです。

しかし、キャンプに行ったグループは、この症状が改善されました。屋外の自然な明暗のサイクルに身を置き、朝の陽ざしを浴びることで体内時計が調整されたのです。

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体に痛みを感じることが増える

骨の成長や健康の維持に欠かせない栄養素であるビタミンDは、日光を浴びている時に皮膚内で生成されるため「サンシャインビタミン」とも呼ばれます。長い期間外に出ず日光を浴びない生活を送っていると、体の中のビタミンDが大幅に減少します。そして、そのことが体にさまざまな痛みを引き起こします。

米国の医師であるグレッグ・プロトニコフ博士は、慢性的な痛みを訴える150人の患者を対象に調査を行いました。その結果、患者の93%のビタミンDのレベルが非常に低いことがわかりました。また、子どものときに十分な日光を浴びなければ、筋力低下や関節の変形など深刻な影響が出る可能性があることも明らかになりました。

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さまざまな病気や不調を引き起こす

外に出ないことが体に与える影響は他にも数多くあります。

先ほど述べたビタミンDの不足は腸内の微生物を減らすことにもつながるため、腸疾患になる可能性が高まります。また、花粉症などのアレルギーを持っている人はできるだけ外に行かないようにする傾向がありますが、これが逆効果の場合もあります。米国のアレルギー専門医で免疫学者のダニエル・モア博士は、屋外に出て日光に当たることで、細胞が活性化しアレルギー反応が改善することを報告しています。

さらに、屋内に閉じこもっていることで「キャビンフィーバー」という症状が出る可能性も指摘されています。「キャビンフィーバー」とは、長い間社会から隔離されたり、狭い場所で生活したりすることで引き起こされる情緒不安定な症状のことです。

まとめ

外に出ないことで起こる怖い体の変化はまだまだあるのですが、このぐらいにしておきます。怖くなったから毎日外に出ようと無理をする必要はありません。また、外に出たくても出られない状況もあるかと思います。

大切なのは意識の変化です。外に行く必要はない、出かけたくないと決めつけるのではなく、外に出ることの効果や価値を知って、外に出かける用事を作ってみてはいかがでしょうか。

(参考)
When You Stop Going Outside, This Is What Happens To Your Body
What Really Happens to Your Body When You Stop Going Outside

Nature Serviceのキャンプ場

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