旅行とウェルネス(身体的、精神的、社会的な健康が統合されている状態)が組み合わさったウェルネスツーリズムが、2000年代初頭から急激に成長しています。ヨガや瞑想、フィットネスなどさまざまなアクティビティが含まれるウェルネスツーリズムは、忙しい現代社会で健康的な時間を取り戻せるとして世界中の人気が集まっています。
「健康と幸せを目的とした「ウェルネスツーリズム」とは?その歴史や魅力」でも紹介した通り魅力の多い旅行ではありますが、急激に成長しているからこそのリスクもあります。今回は「What Is Wellness Tourism? A Complete Guide to Taking a Health-Inspired Vacation」と「The Good, Bad, And Ugly Of The Billion Dollar Wellness Tourism Industry」の記事を参考に、ウェルネスツーリズムのメリットとリスクを紹介します。
ウェルネスツーリズムのメリット
ストレスが解消される
日常生活から離れて落ち着いた静かな環境に身を置き、ウェルネスを追求したアクティビティに参加することでストレスから解放されます。ヨガや瞑想は精神衛生に良い影響を与え、免疫系を高める可能性があることが研究で示されています。また、マインドフルな時間の中で自分自身を見つめ直すことで、不安や鬱(うつ)の症状が軽減されるなど心の回復力が高まるとも考えられています。
健康的な生活習慣が身につく
日常生活ではさまざまな課題に直面しいつも頭の中は考え事でいっぱいですが、ウェルネスツーリズムでは自分の健康と幸福のことだけに集中した時間を持つことができます。そのような環境で数日過ごすと、大切だとわかっていながらもおろそかにしていたよく眠る、よく食べるなどの健康的な習慣を大切にすることができるようになります。
自己成長につながる
ウェルネスツーリズムでは、さまざまなアクティビティが提供されます。未体験だった運動、初めて知った料理法、知らなかった文化に触れることで視野が広がり、自己成長が促されます。さらに、ウェルネスの目標を共有する人たちと交流することでコミュニティが生まれ、お互いをサポートする意識も育まれていきます。
ウェルネスツーリズムのリスク
魅力の多いウェルネスツーリズムですが、急激に広がっているからこそのリスクもあります。ウェルネスツーリズムの内容は日々多様化しており、新しいアクティビティが続々と提供されています。でも、まだ規制が整っているとは言えません。そのため、ガイドやトレーナーの資格が不十分であったり、アクティビティの安全性が十分ではなく事故が起きたりという事例もあります。ウェルネスツーリズムを提供する国や会社によって規制や安全性の基準はまちまちなので、参加するツアーの内容をしっかり調べる必要があります。
また、ウェルネスツーリズムに参加する人に持病がある場合もリスクとなります。環境の変化や慣れないアクティビティで症状が悪化する可能性もあるので、事前にかかりつけ医などに相談して計画を立てることが大切です。
(参考)
What Is Wellness Tourism? A Complete Guide to Taking a Health-Inspired Vacation
The Good, Bad, And Ugly Of The Billion Dollar Wellness Tourism Industry
田舎育ち18年、都会暮らし28年、海外暮らし5年。どこにいても緑と土が必要で、ときどき「山が見たい」と駄々をこねます。老後はヨット好きの主人と海と山の両方が見える場所に住みながら、世界各地を旅したい欲張り50代です。