ワーケーションを行う上で必要とされるコワーキングスペース。個人向け、企業向け、ホテル、キャンプ場などさまざまな形態で世界的に拡がり続けています。
今回は、「ワーケーション」や「ノマドワーカー」は何だか受け入れがたい……と思っていた女性のワーケーション体験談を「I Tried A ‘Working Vacation’ In Lisbon. Here’s How It Went…」からご紹介したいと思います。
環境が変わって初めて見えるもの
初めてワーケーション体験をしたのは、イギリス在住のフリーランスの女性。ワーケーションの一体何が良いの?という意見の持ち主でした。
彼女が旅先として選んだのは、ポルトガルの首都、リスボン。リモートワーカーに人気のある都市で、首都にもかかわらず穏やかな空気が流れる街です。宿泊施設も備えているコワーキングスペースの「Outsite」(「ワークライフバランスの調整役としてリモートワークを考えてみる」で紹介)を活用しました。ちょっと贅沢な学生寮といった感じの建物は、仕事をするのにとても良い環境だと感じたようです。
異国の地でリモートワークを開始してほどなく、仕事以外のことに普段どれだけ自分が時間を費やしているのかということに気が付きました。たとえば、家事やちょっとした雑用。仕事場である自宅を離れて初めて、何かと仕事を中断せざるを得ない用事が常時自分の周囲に存在していることに気が付かされたのです。
また、仕事とは無関係なチャットや無意味なミーティングにも意外と時間が割かれていたことに気が付きました。邪魔さえ入らなければ、1日3時間も働けば十分仕事が終わるのでは!?とさえ思ったようで、これらは働く環境に変化がもたらされたからこそ感じることができたと言えそうです。
試してわかるワーケーションの良さ
とは言え、「ワーケーション」という言葉を耳にすると反射的に、「休暇をとりながら仕事もするというその中途半端な労働形態どうなのよ!?」と思う方、結構いらっしゃいませんか?
記事のなかに登場する女性も、せっかくバケーションに行きながらも仕事をする友人たちにあわれみの目を向けていたこともあった、と答えています。休暇のはずなのに、そこに仕事が浸食してくるのを許してしまっているようで、ワーケーションをとる人の気持ちが理解できないと感じていました。
しかし彼女曰く、実際はその逆で、「休暇という特別な体験を仕事の中に組み込んでみる」というのがワーケーションであることに気が付いたそうです。旅に出かけて仕事を取り巻く環境が変化するなかから刺激を受け、そこで見聞きすることや人との出会いが新たな仕事のアイデアにつながる、そこにワーケーションの良さを感じ取ったと言います。
実際に体験してみなければ、ワーケーションの本当の良さに気が付くことはなかったということなのでしょうね。
家族でワーケーションは可能?
さて、今回ご紹介したこの女性は一人でワーケーションに行きました。しかし、自分以外の誰か、たとえば家族を伴って行く可能性も十分にあり得ます。記事ではその点についても言及していましたので、少しだけ触れておきます。
実際に幼い子どもを含めた家族でワーケーションを1か月ほど実行したという、女性の知人の話が載っていましたが、一人で行くのと他に誰かいるのとでは状況がまったく異なる、ということでした。
しかし、旅に出かけて新しい体験をするのに素晴らしい方法の一つであることに変わりはなく、家族連れのワーケーションも決して不可能ではないという判断だったようです。ただし、すべての人が実行可能だとは言いませんし、計画は慎重に立てるべきとの意見でした。
この記事の女性がかつてそうだったように、ワーケーションには賛同できないという意見を持つ方もいるとは思います。ですが、実際に行動に移すことで、効率よく仕事が進む、集中できる、刺激を受け創造性が豊かになる、といった良さに気付くことができます。
旅に対する人の好みは千差万別ですが、歴史情緒あふれる街並み、空気の澄んだ森や山の中、もしくは波打ち際の音が聴こえる海辺など、自身の好きな場所で仕事ができることを想像し、いつかはワーケーションを実行に移したい!という気持ちを持つことも大切かもしれませんね。
さまざまな視点から働き方や休暇のあり方について、考えてみてはいかがでしょうか。
《参考URL》
I Tried A ‘Working Vacation’ In Lisbon. Here’s How It Went…|REFINERY29
LAUREN BRAVO
(意訳:菊地薫)
サテライトオフィス・レンタルオフィス・リモートオフィスをお探しの方へ
Nature Serviceは自然と融合した法人向けレンタルオフィススペース、信濃町ノマドワークセンターを運営しています。30人強を収容できるワークスペースを有し、近年大きな注目を集めているリモートワークやワーケーションを実践できる施設です。また、起業家や経営者の方々が落ち着いて働けるように、1~3人程度の少人数でご利用できるエグゼクティブ向けのワークスペースもご用意しております。
さらに、ノマドワークセンターのある敷地内にはやすらぎの森オートキャンプ場が併設されています。ワーケーションのなかにキャンプを取り入れ、ぜひ、皆さまには新しい働き方の1つとしてご利用していただけることを願っております。都会と変わらない作業やネット会議を行いながら、時折施設周辺を散歩し、木々や葉っぱの擦れる音、鳥たちの鳴く声に耳を傾け、生産性や創造性などの知的労働生産性の高まりを肌で感じ取ってみてはいかがでしょうか。
Nature Serviceのウェブメディア NATURES. 副編集長。
自然が持つ癒やしの力を”なんとなく”ではなく”エビデンスベース”で発信し、読者の方に「そんな良い効果があるのなら自然の中へ入ろう!」と思ってもらえる情報をお届けしたいと考えています。休日はスコップ片手に花を愛でるのが趣味ですが、最近は庭に出ても視界いっぱいに雑草が広がり、こんなはずじゃなかったとつぶやくのが毎年恒例となっています。