テントを設営したこともなければ、火起こしをしたこともない筆者が、ある日突然ソロキャンプをすることに。そのうち行きたいなと夢を持ちつつも、キャンプ道具を何一つ持っていないこともあり重い腰は上がらず。
しかし、「キャンプ道具はネットでレンタルできるから」と、
あるキャンプの達人に言われ、急にその気になり1週間で準備を整え、いざキャンプへ!
行ってみたいけど二の足を踏んでいる人に向けて、キャンプについてちょっと先輩風を吹かせてみようというのが今回のお話し。
キャンププラン
行き先:やすらぎの森オートキャンプ場(長野県信濃町)
宿泊日数:5泊6日のテント泊
目的:初めてのソロキャンプ
キャンプ道具持ってない問題は一瞬で解決
キャンプに行くと決めた日の晩、頭の中は「どうしよう」でいっぱい。にもかかわらず、夜ベッドに横になった途端、ワクワク、そしてニヤニヤ。いつか行きたいな~と思い描くのと、実際に行くと決まったのとでは想像する楽しみは天と地ほどの違いがありました。
翌日、早速キャンプ用品のレンタルサービスを探し、「そらのした」を利用することにしました。「夏・ソロキャンプ」とすると自動的に選択肢が狭まるため、悩むことなくポチっと申し込み。
キャンプ道具がないからと尻込みをしていたのが一体何だったのかと思うほど、この問題は一瞬で解決しました。しかも「キャンプ場に直接お届け」を選択できるので、自分の車に積み込む必要もないのです。1名用テント・夏用寝袋・シュラフ(寝袋)マット・電池式小型ランタン・バーナー・クッカーセットの計6点をレンタルでゲットし、キャンパー気分は一気に高まりました。
まだ無料キャンセルができる期間が4日ほど残っていましたが、既に申し込んだこともあり心は固まりました。ソロキャンプ行くんだよっ!
失敗しにいくと思えば怖いものはない
日中は仕事をしながら夜はネットで情報収集することに2日ほど費やした後、調べることをパタッとやめました。どこかで失敗したくないという思いが働いていましたが、結局、自分の頭で考え、自分の性格や体格、生活環境、求めるものに合わせてカスタマイズするしかないことに気が付いたのです。逆に言えば、「キャンプ」という要素には、カスタマイズできる可能性が無限に広がっていました。
そして、こんな考えが頭に浮かびました。
「忘れ物をしてもいい。失敗してもいい。過度に失敗を恐れ準備に神経をすり減らすぐらいだったら、笑い飛ばせるぐらいの失敗談を山のように作る方がよほど楽しい」と。
考えに変化があったのを機に、キャンプで何をしたいのか、それをするためには何を用意すれば良いのかを自分の頭で考え、ノートに書き込みはじめました。
目的や楽しみたいことは明確に
比較的早い段階で、キャンプ場で自分がやりたいこと、できること・できないことの切り分けを行ったおかげか、その後の準備は比較的スムーズに進みました。
- 目的:初めてのソロキャンプの達成
- 楽しみたいこと:森林の散策、たき火、自然のなかでボーっとすること
- 今回は諦めること:キャンプ飯
結果、食事はすべてレトルトで済ませようという決意が固まりました。
やりたくないことはやらない
さて、実際にキャンプ場で寝泊りを開始してから、さらに心境に変化がありました。
「やりたくないことはやらない。」
実は、これがキャンプ中に感じた一番の楽しさでした。他人や自然に迷惑をかけなければ、すべて自由。やりたくないことはやらなければいいだけのことで、この自由さがたまらく楽しかったのです。
火起こしをして食事を作るなんて、そんな高スキルなことは絶対に無理だ!と日数分のレトルト食品を持って行ったにもかかわらず、数日後そのレトルトを温めることさえ面倒になりました。
ドーナッツだけで朝食を済ませ、真夏であることを忘れて持参した溶けかかったチョコレートバーを食し、常温どころか、ややホットな水ようかんを食べ、お湯に溶かすタイプのスティックコーヒーを無理やり水で溶いて飲み、おなかを満たしていました。
さらには、日焼け止めを塗ったあとに手を洗いに行くのが面倒くさいという理由から、日焼け止めまで放棄。(のちに後悔)
この自由気ままな生活が何よりも楽しく、キャンプに来てよかった~と心の底から思ったのです。自宅でも自由にすれば良いじゃないか、とも思うのですが、それとは何か異なる感覚。自然と同化していると言えるほどワイルドなキャンプではありませんが、自然の中に身を置き、見えない何かから解き放たれていたのではないでしょうか。きっとこれが、キャンプにまた行きたい!と思わせる理由の1つなのだろうと感じました。
キャンプとは
キャンプとは、姿形を自由自在に変えるアメーバのようなもの。何度でも簡単にやり直しがきき、行くたびにまったく異なるタイプの体験ができる、そういう不思議な存在だと思いました。
「子どもをキャンプに連れ出そう!学習能力や自信を育てる絶好の場に!」のなかで、子どもに「できた」という有能感を持たせることがとても大切だとお伝えしましたが、今回キャンプに行って思ったのは、有能感は大人にも大切だということ。たとえ小さなことであっても、キャンプ中の「できた」には常に高揚感が伴いました。
行ってみたいなと思いつつも何となくためらっている方は、まずは一度キャンプ経験を積み、ぜひご一緒にちょっとエラそうにキャンプを語ってみませんか。
Nature Serviceのウェブメディア NATURES. 副編集長。
自然が持つ癒やしの力を”なんとなく”ではなく”エビデンスベース”で発信し、読者の方に「そんな良い効果があるのなら自然の中へ入ろう!」と思ってもらえる情報をお届けしたいと考えています。休日はスコップ片手に花を愛でるのが趣味ですが、最近は庭に出ても視界いっぱいに雑草が広がり、こんなはずじゃなかったとつぶやくのが毎年恒例となっています。