「ダンジョン」このワードを耳にするとドラゴンクエストなどのゲームに登場する洞窟のシーンを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。今回の記事ではアウトドアとしての洞窟について、手軽なものから一歩踏み込んだものまでご紹介します。
洞窟の楽しみ方は、
「観光として洞窟を楽しむ」
「ケイビング」
の2通りに分けられますが、今回は「観光として洞窟を楽しむ編」をお届けします。
装備不要、ジーパンとスニーカーで行ける
先日、福島県田村市の「あぶくま洞」に行ってきました。
この「あぶくま洞」は観光として洞窟を手軽に楽しむことができ、装備不要でジーパンとスニーカーのまま行くことができます。
このような手ぶらで行ける手軽さは、観光のための洞窟、「観光洞」の魅力のひとつです。しかし、気軽に入れる観光洞とはいえ中は自然が作り出した洞窟です。
当然のことながら人間のために都合よく作られた環境ではありません。洞窟に入ると普段の私たちの生活環境とはまったく異なる世界に触れることができます。
まさに異世界
肌で感じる非日常
私が洞窟に入って最初に感じたことは、かなりの「ひんやり」です。
この日は30℃を超える暑い日でしたが洞内の気温は13℃、湿度は90%と気温は低めながらも湿度はかなり高めです。Tシャツの上に一枚長袖を着ても少し寒いくらいでした。
洞窟の奥から風が吹いてくるのですが、それはエアコンのカラッとした快適な冷風とはまったく違いました。湿気を含み体にまとわりつくような”冷気”でした。薄暗い洞窟の中という環境下でこのような独特な冷気にさらされ、自然の新たな一面を見たようでワクワクしました。やはりここは「異世界」なのだとあらためて認識させられました。
洞窟の中はまるで自然の美術館
あぶくま洞は鍾乳洞と呼ばれる、長い歳月をかけて雨水が石灰岩を溶かして作られた洞窟です。その洞内では鍾乳石という自然の造形美があります。
鍾乳石は雨水によって溶けた岩の成分が地下水に混ざり、洞内の天井や側面底面を流れる際に再結晶してできたもので、1㎝伸びるのに70~100年かかるのだそうです。
さらに洞内に流れる川のせせらぎが周囲の岩に反響し耳に心地よい場所がありました。私はすっかりこの場所を気に入ってしまい、日常を忘れリラックス・リフレッシュでき洞窟が大好きになりました。
注意事項
観光洞とはいえ油断禁物です。私が感じた注意すべき点をあげます。
携帯電話やサイフなどの貴重品は絶対に落とさない
→拾いに行くことができない場所が多いです。コースから外れて歩くことはできません。川にスマホを落とした場合も自己責任となります。
頭や体をぶつけない
→狭い場所をかがみながら進むこともあります。立ち上がる際に頭をぶつけると場合によっては流血するようなけがをすることもあります。しゃがんだ状態から立ち上がる時の勢いは自分が思っているよりもはるかに速いものです。
転ばないように歩く
→地下水で濡れていて滑りやすい場所も多いです。常に足元には注意を払ってください。
狭い通路で壁に体がぶつかることもありますので長袖がオススメです。
安全に楽しむことができる
階段や足場などがあり安心・安全
今回私が行ってきたあぶくま洞は、公開されている部分の高低差は数十メートルです。なだらかな坂道は少なく、ゴツゴツした岩場の急な坂や狭い通路、川の流れに阻まれているなど危険な箇所が多いです。
そういった所には観光客が安全に歩けるよう階段や足場、ロープや手すりなどがしっかりと設置されています。
洞窟の中という足元が悪く危険が多い場所をこのように整備するのは、大変な苦労があったと想像してしまうのは私が建設業に携わっているからなのでしょうか。
私たちが安全に洞窟を観光できるのはこういった整備をした方々の苦労があってのことです。本当に感謝ですね。
ライトアップなどの演出や解説
観光洞はライトアップ演出があり洞内の鍾乳石はより幻想的に映え、またひとつひとつの鍾乳石に名付けられた名前や解説文などのプレートが設置されています。
自然のままの洞窟にはない工夫がこらされていて、私たち観光客を楽しませてくれます。大いに観光を楽しませていただきましょう。
まとめ
今回は手軽で安全に楽しめる「観光洞」について記事を書きましたがいかがでしたでしょうか。
簡単に内容を振り返ります。
装備不要、ジーパンとスニーカーで行ける
→観光洞は普段着のまま手軽に行ける。動きやすい服装・長袖がオススメ。
まさに異世界
→洞内のひんやりした環境や鍾乳石が作り出す自然の造形美・せせらぎが心地よい空間があったこと、その他洞内を歩く際の注意点
安全に楽しむことができる
→観光洞は階段や足場が設置されライトアップ演出や解説も充実している。安心・安全に洞窟を楽しむことができる。
観光洞は非日常な環境下で自然に触れることができます。避暑や納涼としてもオススメです。洞窟に入った経験がないという方はこれを機にぜひ一度いかがでしょうか。
もちろん観光地なのでソフトクリームやレストランでご当地グルメなどを食べることができますよ。
次回は観光洞とは打って変わって、厳しい環境下で洞窟の奥に突き進む「洞窟をつき進め!ケイビングを楽しもう!」の記事に続きます。
福島県内の除染作業に関わり福島の自然が好きになりました。趣味はクラシックギターとアロマで香りや灯りに癒されつつギターを弾いています。
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