土に触れながら花や野菜を育てるガーデニング。ただの庭いじりや趣味とあなどるなかれ。心が癒やされたりストレス発散になったりするだけでなく、健康的な身体づくりにも役立つということが科学的な研究によって明らかになっています。
この記事では、ガーデニングによって得られる健康効果を「7 Benefits of Gardening That Prove It Helps Your Mind and Body」と「8 Surprising Health Benefits of Gardening」の記事を参考にご紹介します。
カロリーを消費し、健康な身体になる
ガーデニングをすることで、健康的な身体を得ることができます。
アメリカの保険福祉省所管の総合研究所である「疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention)」は、ガーデニングは中強度の運動であるとしています。「中強度の運動」とは、楽だけどちょっときついという程度。土を掘ったり草をむしったりするガーデニングは想像以上に運動量があるのです。
約1時間ガーデニングをするのと、同じ時間歩くのとではガーデニングの方が消費するカロリーが高いことがわかっています。
また、地域の人と一緒に花を植えたり、市民菜園で活動したりするという「コミュニティガーデンプログラム」に参加している男女について調査した研究がアメリカで行われていますが、参加している人は参加していない人と比べてBMI値(肥満度を表す体格指数)が大幅に低かったことも明らかになっています。
ガーデニングは花や野菜の成長も楽しみながら、運動にもなる一石二鳥の活動なのです。
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ビタミンDが増え、骨が強くなる
ガーデニングをするとビタミンDが作られて、骨が強くなります。
と言っても、どういうこと?という感じですよね。順を追って説明しますね。
まず、骨を強くすると言えばカルシウムですが、このカルシウムの吸収を助ける大事な栄養素がビタミンDです。ビタミンDは魚や牛乳などに含まれていますが、実は皮膚が紫外線を浴びることでも合成されるのです。つまり、太陽の下で活動するとビタミンDが増えるということです。
ガーデニングはいい日光浴にもなり、太陽の光を浴びながら作業をしている間にビタミンDが合成され、カルシウムの吸収が良くなり、骨が強くなっていくというわけです。
ビタミンDは、骨を強くするだけでなく免疫機能を調整する役割も持っている健康に欠かせない栄養素。ガーデニングは花や野菜を収穫できるだけでなく、秘かにビタミンDも収穫しているんです。
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食生活が健康的になる
ガーデニングをすることで、食生活がより健康的になるという研究結果も出ています。
フロリダ大学を含む8つのアメリカの大学の共同研究で「GetFruvedプロジェクト」というものが行われました。「GetFruvedプロジェクト」とは、人々がもっと多くの野菜や果物を食べるようになることを推進するものです。
そこで行われた調査によると、子どもの頃にガーデニングの経験があると大学生になっても野菜や果物を食べる習慣が維持されるということがわかりました。この調査は1,351名の大学生を対象に行われ、過去または現在ガーデニングをしている大学生とそうでない大学生とを比べてみたところ、ガーデニングをしたことがある、または今している大学生の方が野菜や果物の摂取量が多いことがわかったのです。
両親がガーデニングをしていたかどうかは関係なく、実際にその人自身がガーデニングをしたことがあることが、その後の野菜や果物の摂取量に影響していました。
日本でも野菜を食べることが推奨されていますが、必要な量を摂れていない子どもや成人が増えています。ガーデニングは、おいしい野菜を作れるだけでなく、健康的な生活習慣を作ることもできるのです。
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まとめ
ガーデニングは、健康な身体作りや食習慣作りに役立つすばらしい活動です。ぜひ家族みんなで楽しんでみてはいかがでしょうか。
田舎育ち18年、都会暮らし28年、海外暮らし5年。どこにいても緑と土が必要で、ときどき「山が見たい」と駄々をこねます。老後はヨット好きの主人と海と山の両方が見える場所に住みながら、世界各地を旅したい欲張り50代です。