みなさんは2021年に日本で新しく自然遺産が登録されたのをご存じでしょうか。その登録地域は「奄美大島、徳之島、沖縄東北部及び西表島」です。実はNature Serviceもユネスコ世界遺産センターへの申請時に、ドローン映像の撮影を一部協力した経緯があります。今回もSDGsNo.11にある「世界遺産の保護」と関連付けながら、奄美大島、徳之島、沖縄東北部及び西表島についてご紹介したいと思います。

生物の多様性が際立った4つの地域

今回紹介する奄美大島、徳之島、沖縄東北部及び西表島の4つの地域は、鹿児島県と沖縄県の2県にまたがって自然遺産に登録されています。詳しく分けると奄美大島、徳之島が鹿児島県、沖縄東北部および西表島が沖縄県です。4つの地域の特徴として、固有種、絶滅危惧種を含めた豊富な動植物が生息していることがあげられます。

自然遺産として登録されている地域の国土面積は日本全体の1%未満です。しかし脊椎動物を例にあげると、日本の半分以上の種類がこの4つの地域に生息しているんです。また固有種の割合は44%、絶滅危惧種にいたっては36%も生息しています。このことから、いかに限られた地域で多種多様な生態系が形成されているのかがわかりますよね。

この貴重な生態系を壊さないために、県や市町村で連携しながら保護活動を行っています。希少生物の交通事故を防ぐための注意喚起や外来生物の捕獲を行い、自然遺産としての価値の維持に努めています。

自然遺産としての評価ポイント

今回紹介する奄美大島、徳之島、沖縄東北部及び西表島の評価ポイントとして、自然遺産の評価基準の1つでもある「生物多様性」の項目があげられます。非常に狭い国土面積にもかかわらず、多種多様の動植物が生息している。このポイントがかけがえのない地域だと評価されました。その結果、2021年7月26日に日本で5番目の自然遺産として登録されました。

他の自然遺産との違い・共通点

日本にはその他にも「知床」「白神山地」「小笠原諸島」「屋久島」が自然遺産として登録されています。とくに知床は同様に評価基準の「生物多様性」の項目が評価されています。

知床は「海・川・森」がつながった幅広い生態系が特徴の地域です。奄美大島、徳之島、沖縄東北部及び西表島は狭い面積にもかかわらず、生物種・固有種・絶滅危惧種が多数生息している地域です。どちらも多様な生物が生息している地域でありながら、それぞれ違った特徴があることがわかります。

まとめ

奄美大島、徳之島、沖縄東北部及び西表島についてご紹介しました。この地域はまさに日本中の生態系が凝縮されているといっても過言ではありません。だからこそこの環境を壊さないように配慮していく必要があります。観光に向かう際は、自然遺産となった理由をあらためて考えてから訪れてみてはいかがでしょうか。

参考記事:
沖縄島北部及び西表島世界自然遺産|遺産地域の特徴 – 環境省

日本の世界自然遺産 – 環境省

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