新型コロナウイルスのまん延によって私たちの生活はガラリと変わりました。在宅勤務やリモートワークの普及により、今までよりも外に出る機会が減った方も多いのではないでしょうか。

感染防止対策といえど、長い期間家の中で過ごしていると、ストレスもたまるし、なんだか気持ちもどんよりとしてきませんか。もしも憂うつな気分が続くようであれば、それは太陽の光を浴びていないことが原因かもしれません。

この記事では、日照量不足が私たちの身体にもたらす影響と、ヨーロッパでポピュラーな光療法についてご紹介します。

憂うつな気分が続くのは日照量が不足しているのかもしれない

北欧や緯度の高いヨーロッパ諸国では、主に冬の時期になると「冬季うつ病(SAD)」と呼ばれる症状を発症する人が増えてきます。

冬季うつ病は、主に日照不足が原因とされており、日本でも日照時間が少なくなる時期や梅雨の時期などに発症する人がいます。また、憂うつな気分になる症状は、学校や仕事など環境が変化する春にも現れる可能性があります。

人は太陽の光を十分に浴びられないと、脳内で分泌されるセロトニンの量が減ったり、体内で生成されるビタミンDが不足したりします。

セロトニンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれており、ストレスを減少させる効果があります。そしてビタミンDはカルシウムの吸収を促すことで、骨粗しょう症を防ぎ、骨を強くする役割を持っています。心も身体も健康に過ごすためには、この2つはとても大切なものといえるでしょう。

冬季うつ病になると、主に次のような症状が現れます。

・気分が落ち込む
・集中力が低下する
・昼間でも眠い
・食欲が増す
・人と会うのがおっくうになる など

日照時間が少ない地域に住んでいる方々や、高いビルが立ち並ぶ都会で生活している方なども、十分に陽に当たることができず日照不足になる可能性があるため注意しましょう。

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光療法(高照度光照射療法)とは?

北欧などでは長い冬に冬季うつ病を発症しないように、光療法(高照度光照射療法)を生活に取り入れている人が多くいます。

光療法とは、2,500~10,000ルクスの高照度の光を浴びることによって、体内時計を整える自然療法です。太陽光に似た人工の光を1~2時間程度照射することで、抗うつ効果が期待できると確認されています。

光療法用の照明はネットなどで購入ができ、卓上に置ける小型のものや、有色でソフトな光のタイプなどが販売されていいます。購入する際には、自身の体調や好みに合ったものを選ぶとよいでしょう。

日光浴で心と身体を元気にしよう

冬季うつ病を改善するために、光療法用の活用もよいですが、太陽の光を浴びる「日光浴」をしてみるのはいかがでしょうか。

なんだか気分がスッキリしない方や、日常的にイライラやストレスを感じている方は、1日に短い時間だけでも太陽光を浴びてみましょう。

春や夏には紫外線の量が多いため、午前中に日陰で1日15分程度の日光浴を行うのがおすすめです。

また、秋や冬にはビタミンDを生成するのに必要な紫外線の量が少なくなります。春や夏よりも少し長めの1日30分程度を目安に日光浴を取り入れるとよいでしょう。

日光浴に加えて公園を散歩したり、たまにはキャンプやアウトドアにでかけたりすると気分転換にもなります。アウトドアでの活動は太陽の光を十分浴びられて、自然にも触れられるためリラックス効果も期待できますよ。

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まとめ

太陽光は私たちが心も身体も健康で過ごすために、なくてはならない大切なものです。15~30分程度の日光浴でもセロトニンの分泌やビタミンDの生成を促す効果があるため、晴れた天気の日には積極的に外へ出かけてみましょう。

人混みを避けるためには、自然の多い場所でキャンプやアウトドアをするのがおすすめです。太陽の光を浴びながら、自然の香りや季節を感じることで、憂うつな気分から抜け出しませんか。

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参考:
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-074.html

https://www.rcpsych.ac.uk/mental-health/translations/japanese/seasonal-affective-disorder

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