青く大きく広い海。眺めているだけでも気持ちが穏やかになりませんか。でも、海辺で過ごすことの効果はそれだけではありません。18世紀ごろには海は万能薬と考えられ、海水がさまざまな病気の治療に用いられていたのです。現代の科学では、海は「万能薬」とまでは言えませんが、さまざまな健康効果があることが証明されつつあります。
この記事では、海辺で過ごすことで得られる健康効果を「10 Health benefits of the sea」と「These are the health benefits of spending time by the ocean」の記事を参考にご紹介します。
海風が肺を浄化し機能を向上させる
海水にはマグネシウムやカルシウムといったミネラル成分が含まれており、海で吹く風にも少量ですが同様のミネラルが含まれています。海辺で過ごしながら海風を吸い込むことで、ミネラル成分が気道や肺を浄化し機能を向上させてくれます。
この発見は、嚢胞性線維症という病気を患っているオーストラリア人の患者の一言がきっかけとなりました。嚢胞性線維症とは、気管支や消化管が粘り気の強い分泌液で詰まりやすくなり、肺炎や気管支炎を繰り返し起こしてしまう病気ですが、この患者がサーフィンをすると呼吸が楽になると医師に話したのです。そこから研究が始まり、海風には気道や肺を浄化する効果があることがわかりました。
海風は、呼吸器系や鼻炎等の症状の改善に役立つとして医療の場で活用されています。
海水と砂浜が皮膚を浄化し炎症を改善する
米国の皮膚研究機関によると、塩水は皮膚細胞を浄化し、細菌を破壊することがわかっています。その効果によりアトピー性皮膚炎やにきびなどの皮膚疾患の炎症が軽減されます。これは海水に限ったことではありません。マグネシウムを含んだ海風と太陽の光を浴びることでも皮膚の炎症がやわらぐことが報告されています。
また、海辺の砂にもよい効果があります。それは、天然の研磨剤やスクラブ剤としての働きによるものです。砂浜を裸足で歩くことで、古くなった角質が取り除かれ、皮膚が柔らかくきれいになるのです。さらに、塩分の働きにより皮膚にバリアが作られ、水分を長く保持できる滑らかな肌にしてくれます。
海の音が心を浄化し睡眠を助ける
海辺を裸足で歩いていると、不安やストレスが軽減されていきます。これは、水の感触やリズミカルな水の音、きらきら光る水面などで五感が刺激され、自然と瞑想をしているような状態に導かれるからだと考えられています。
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米国ペンシルベニア州立大学で生物の行動と健康の関係を研究しているバクストン准教授によると、私たちの脳は海の波の音を非脅威と解釈するのだそうです。「心配しないで、心配しないで」と言っているようなものだと。
波の音は自然の子守歌となって、人々の心を落ち着かせストレスや不安を取り除き、よりよい睡眠をもたらしてくれるのです。また、海水や海風に含まれるミネラルが睡眠ホルモンとも言われるメラトニンを増加させることもわかっており、海に行った日は効果的に眠りに落ちることができます。
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まとめ
夏に海で泳ぐのも楽しいですが、海風にあたったり、海の音を聞いたりしながら浜辺を歩くだけでも健康によい効果が得られます。季節を問わず海に出かけて、浜辺を少し散歩してみてはいかがでしょうか。
(参考)
10 Health benefits of the sea
These are the health benefits of spending time by the ocean
田舎育ち18年、都会暮らし28年、海外暮らし5年。どこにいても緑と土が必要で、ときどき「山が見たい」と駄々をこねます。老後はヨット好きの主人と海と山の両方が見える場所に住みながら、世界各地を旅したい欲張り50代です。