感動の舞台は、おたる水族館のすぐ目の前に。
札幌育ちの筆者が子供の頃から慣れ親しんできた、北海道小樽市祝津にあるおたる水族館。
目の前には日本海が広がっており、祝津パノラマ展望台から見る景色は絶景。
そんな小樽の海にはトド岩と呼ばれる岩があり、冬になるとロシアから回遊してくる野生トドの上陸場となります。
水族館にもトドがいますが、まさかそのすぐ目の前で野生のトドが見られるということは、恥ずかしながら数年前まで知りませんでした。
今シーズンはご縁があり、そのトド岩の周りでダイビングすることができました。

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水中での出会いは突然に。
トドに気付かれないよう、ボートで岩の影に回り、そこからエントリー&潜降。
水深は10mより浅いですが、時期も時期なので水温は約5℃。
透明度もあまりよくない中、上陸場に向かってゆっくり泳いでいくと、間もなくして、彼らは突然音も無く現れます。

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ダイバーもトドも、お互いに大興奮!
水中のトド達は、陸上にいる時の重たそうなイメージからは想像もつかないほど、動きがしなやか。
ものすごいスピードで泳ぎ去っていったり、ホバリングしながらじっとダイバー達の顔を覗き込んだり。
時には、ダイバー達の吐く息を真似ているのか、鼻からブーっと息を吐いて泡を出しているトドもいます。
初めて見るダイバーに興味津々で、手で触れられそうな距離まで寄ってきます。
頭やフィンを甘噛みされたダイバーもいますが、襲ってくることはありません。
ダイバー達はもちろん大興奮ですが、トド達もダイバーに興奮しているようです。

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これぞ楽園。守るべきもの。
水中で出会ったトドの群れは多くて20頭以上。
ものすごい迫力に圧倒されます。
地元のすぐ近くにこんな楽園があったなんて…。
そしてほとんどの人がこのことを知らないなんて…。
本当に言葉になりません。
きっとはるか太古の昔から、トド達は毎年毎年こうして北の海からはるばる北海道へやってきていたのでしょう。
豊かな自然があるからこその、野生動物の命の営みです。
このトドダイビングの経験を通して、一人の人間として、北海道民として、なんとしてもこの楽園を守っていかなければという思いになりました。

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