仕事が忙しくバランスの取れた食生活が取れない・運動不足が続いているなどの要因で、高血圧を指摘される人も多いのではないでしょうか?今回は高血圧患者の血圧改善などに森林浴がどれほど効果的なのかを分析した研究をご紹介します。

浙江省老年医学研究所MAO Gen Xiangらは、高齢(60-75歳)の高血圧患者24名を、

  1. 午前・午後それぞれ1時間半ずつ計3時間森の中の決められたコースを歩く群
  2. 1.と同様に計3時間市街地の決められたコースを歩く群

の2群にランダムに振り分けました(各12名ずつ)。実験参加者に1週間上記の運動をしてもらった後に以下を分析しました:血圧、心理指標(質問紙調査)、心臓血管系疾患関連因子タンパク質(レニン、アンジオテンシノーゲン、アンジオテンシンI、アンジオテンシンⅡなど)。

実験前は上記2群間において最高血圧(収縮期血圧)・最低血圧(拡張期血圧)ともに差がありませんでしたが、実験後には森でウォーキングを行った群の方が市街地でウォーキングを行った群に比べ最高血圧・最低血圧が低減することが示されました。また森でウォーキングを行った群において血圧上昇に関わるとされる心臓血管系疾患関連因子タンパク質発現(アンジオテンシノーゲン、アンジオテンシンI受容体タンパク質、アンジオテンシンⅡ受容体タンパク質)が低減することが明らかになりました。さらに、心理的にも森でのウォーキングはポジティブな効果(うつ、怒り、疲弊などの低減)をもたらすことが示されました。

厚生労働省の統計資料によると、高血圧性疾患の総患者数は国内だけで1,000万人近くいます(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/17/dl/05.pdf)。高血圧に悩む患者さんへの有効な血圧低減対策の一つとして森林浴が活用される日が来るかもしれません。

【紹介した論文】
https://www.journal-of-cardiology.com/action/showPdf?pii=S0914-5087%2812%2900185-2
Journal of Cardiology, 60, 495–502.

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