最近、焚き火の動画が流行っているのをご存じでしょうか。眠れない夜に焚き火の動画を見ると寝られるというのです。私も眠れない夜に試してみたことがあるのですが、確かに徐々に眠くなっていつの間にか寝ていました。

なぜ焚き火の動画でこんなことが起こるのか。そこには、研究でも証明された焚き火のリラックス効果がありました。

今回は、焚き火が人々に与える効果とその理由を、以下の記事を参考にご紹介します。

Why Spending Time Around the Fireplace is Relaxing
THE SURPRISING HEALTH BENEFITS OF SITTING AROUND A FIRE

焚き火の音が血圧を低下させる

炎とパチパチと薪が爆ぜる音が血圧を低下させることが、アラバマ大学の実験で明らかになっています。

その実験とは、226人の被験者に暖炉の動画を見せるというもの。1つのグループにはパチパチと薪が爆ぜる音があるものを、もう一つのグループには音のないものを見せました。

その結果、パチパチという音のない動画を見たグループでは血圧の変化にばらつきがありましたが、音のある動画を見たグループの血圧は下がりました。また、音のある動画を長く見れば見るほど血圧が下がることがわかったのです。

さらに、実験室で炎と薪が爆ぜる音を再現した状態で脳をスキャンしたところ、やはり血圧が下がることも明らかになりました。

血圧が下がるということは、人間の身体がリラックスモードになるということですから、寝やすい状態になるということなのです。

人間の営みを守ってきた火の安心感

では、なぜ炎と音により血圧が下がりリラックスできるのでしょうか。その理由の一つとして、火と人類の進化との関係があると考えられています。

かつて火は人間にとって非常に重要なものでした。暖を取るにも夜の灯りを確保する上でも欠かせませんでしたし、火を使って食べ物を加熱調理することで安全性も増しました。火があることで人間の営みは守られてきたとも言えます。

そんな人間の生活と深い関わりのある火を近くに感じると、人は今でも安心感を覚えリラックスすることができるのです。

関連記事:自然に入ることは、あるべき状態に戻ること。「世界各国の研究機関が報告した生物多様性と健康に関する科学的知見」

シンプルな生活を思い出す感覚

また、暖炉の火や焚き火を囲むことで、シンプルだった時代を思い出すこともリラックスする理由だと考えられています。

現代の生活は複雑化しています。仕事や予定に追われ、ストレスや心配事に囲まれた毎日です。でも、火を見つめながらパチパチという音を聞いていると、家庭や家族のことが生活の中心で、もっとシンプルに生きていたころの感覚が呼び起こされ、心が癒やされていくのです。

実際、炎の揺らぐ暖かい暖炉や焚き火は家族が集まる場となり、穏やかな時間を提供してくれます。

火は、人間がかつて感じていた安心感やシンプルさを思い出させ、私たちをリラックスさせてくれます。暖炉がなくても、焚き火ができなくても大丈夫。心が疲れたと感じる時や眠れない夜は、焚き火動画に癒やされてみてはいかがでしょうか。

関連記事:
初心者キャンパー、焚き火を教えてもらう。意外と奥が深かった。
焚き火によるリラックス効果

(参考)
Why Spending Time Around the Fireplace is Relaxing
THE SURPRISING HEALTH BENEFITS OF SITTING AROUND A FIRE

コメントを残す