自然の中で過ごすことは心や身体に良いと言われていますが、都会ではなかなか自然に触れることはありません。しかも、今は自粛の日々で、自然の多い地域に行くのもはばかられます。

でも、長い時間自然の中で過ごさないと効果がないというわけではないんです。最近の研究では、「自然の音」を聞くだけでも健康に良い効果があることがわかってきています。

この記事では、自然の音が人の心や身体に与える効果を「Why the Sounds of Nature Are So Good for Health and Well-Being」と「5 Benefits to Listening to Nature Sounds」の記事を参考にご紹介します。

自然の音でストレスが減る

カナダのカールトン大学のレイチェル・バクストン博士らは、自然音が健康に与える効果を研究しています。

まず、バクストン博士らは、録音された自然の音と健康との関係を調査した18の研究について調べてみました。すると、自然の音を聞いた後でストレスが減ったり、痛みが軽くなったりするなど健康上の問題点が改善されていることがわかりました。

そこで、博士らは実際に実験も行いました。66カ所の国立公園から雷や風の音、また鳥の鳴き声だけでなく昆虫や蛙の鳴き声などを集めて録音し、被験者に聞かせるというものです。

11カ国に準備した実験室で、被験者に録音した自然の音を聞かせたところ、ストレスや不快感が著しく減少することが明らかになりました。また、多くの被験者から、痛みがやわらいだ、気分が改善されたという報告があったのです。

自然の音でストレスが減る理由

バクストン博士は、この結果は進化論的な観点からは当然だと考えています。というのは、人間はかつて、生き延びるために常に周囲の危険にアンテナを張っていなければなりませんでした。でも、鳥の鳴き声や川のせせらぎのような自然音にあふれた環境では、安全だと感じ、警戒を緩めることができたのです。

そのため、今でも私たちは自然の音を聞くと警戒心や緊張を緩めることができ、リラックスできるというわけです。

自然の音は「戦うか逃げるか反応」を切り替える

歴史的建造物と自然の保護を目的として活動しているナショナル・トラストという英国の民間団体も、心拍数モニターや脳スキャンなどを使った調査で、自然の音が健康に与える効果を明らかにしています。

ナショナル・トラストは、静かで落ち着いた自然の音は、動物に本能的に備わっている「戦うか逃げるか反応」のスイッチを切り替える役割があると考えています。

「戦うか逃げるか反応」とは、敵に襲われそうになった動物が毛を逆立てたり、目をギラリとさせたりして身構える反応のことです。命の危機を前にした動物は、交感神経を極限まで働かせて、戦うか逃げるかの行動が瞬時にとれるようにスタンバイするのです。

人間は食うか食われるかの環境にいるわけではありませんが、仕事や家庭などでストレスにさらされたり、緊張状態が続いたりすると、交感神経が必要以上に優位になり、それが不眠や身体の不調を引き起こしてしまいます。

自然の音は、こういったストレスや緊張の矛先を自身の内面ではなく、自分の外にある物に向き変えてくれたり、日々の不安から気をそらせる役割を果たしてくれたりするのです。

ナショナル・トラストによると、森の音を1分聞くだけでリラックスの度合いが30%増し、不安が減るそうです。

おすすめの自然の音

自然の音が心と身体に与える効果をご紹介しました。自然の音は動画サイトや音楽配信アプリなどで手軽に聞くことができます。ちなみに、私のおすすめの自然の音はこちらです。他にもたくさんの自然の音があるので、自分のお気に入りを探して聞いてみてはいかがでしょうか。

(参考)
Why the Sounds of Nature Are So Good for Health and Well-Being
5 Benefits to Listening to Nature Sounds

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