SDGsに関して勉強をしていくうちに、環境問題に対しての意識が向きやすくなりました。ある日ふと自宅のキッチン洗剤を見たとき「この洗剤は環境への影響はどうなのだろうか?」と疑問に思うことがあります。昔に比べると環境に配慮した商品は増えてきていますが、そもそも環境にやさしい洗剤などあるのだろうかと思い調べてみました。
SARAYAのヤシノミシリーズ
今回は環境に配慮した商品を提供している「SARAYA」の商品について調べてみました。SARAYAといえばキッチン用品から食品まで幅広い商品で家庭を支えている会社ですよね。みなさんも1度は使用したことがあるのではないのでしょうか。環境に対しての取り組みも積極的に行っており、プラスチックの削減や太陽光発電による再生エネルギーの利用もしています。
また「ヤシノミシリーズ」という、ヤシノミから採れるパーム油で作られた植物性の商品があるのをご存じでしょうか。ヤシノミシリーズにはキッチン洗剤やハンドソープがあります。すべて無添加で排水した後も微生物によって生分解されるため、環境にもやさしい商品とされています。(2022年1月公式HPより)
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SARAYAのジレンマ
ヤシノミシリーズの原料となっているパーム油ですが、実は他社の食品などでも大変多く使用されています。パーム油の需要が高まっているため、森林を伐採してヤシの実のプランテーションが拡大するようになりました。しかし森林が減少した結果CO2が増加し、それが地球温暖化を助長してしまうことをSARAYAも問題視していたようです。
商品だけを見ると環境にやさしいように感じますが、視点を広げるとその裏では環境破壊が進んでいることがわかります。この状況に対してSARAYAは、今の生活に必須となっているパーム油の使用をやめたとしても、いずれは別の原料が代わりとして利用されるだけだと考えました。「パーム油を使わない = 環境を守れる」ということにはならないと判断したSARAYAは2004年から「ボルネオ環境保全活動」に取り組むこととなりました。
ボルネオ環境保全活動とは、パーム油の生産主要国であるボルネオ島の森林回復や野生動物の繁殖などを助けるプロジェクトです。またヤシノミシリーズの売上の1部がボルネオ島のために使われるため、わたしたちも商品を購入するだけでこの取り組みに参加できるようになりました。
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消費者のジレンマ
SARAYAの商品は環境にやさしい取り組みをしていることがわかりました。このような商品をわたしたちも使いたいものですよね。では価格の方はどうなのでしょうか?そこでSARAYAを含めた他のキッチン洗剤の価格も調べて比較してみました。
商品名 | 容量(ml) | 価格(税込) |
SARAYA(ヤシノミ洗剤) | 200 | 196円 |
A社 | 240 | 150円 |
B社 | 190 | 145円 |
※公式サイトをもとに筆者作成(2022年1月27日)
ヤシノミ洗剤は他の商品と比較すると価格がやや高いという結果になりました。みなさんが洗剤を購入するとしたら、普通は価格の安い商品を選びませんか?わたしもそうですが、消費者としては環境保全も大切だと思いつつも価格を優先してしまいます。この数十円の差は大きいと感じました。
まとめ
今回SARAYAを中心に環境にやさしい商品について調べましたが、もちろんSARAYAだけがこのような取り組みを行っているわけではありません。しかし商品はビジネスの一種であることに変わりはなく、それに応える顧客がいなければ成り立ちません。経済活動と環境保護を両立するためには、さまざまな課題を解決していく必要があると感じました。
ゆるく自分らしく生きることが人生の目標。趣味は旅行や読書。
将来の夢は自然豊かな場所でスローライフを送ることです。