登山は世界中で楽しまれているアクティビティの一つですが、なぜ山に登ることがそんなに多くの人に愛されているのでしょうか。登山の魅力は、単に高い山々を制覇することだけにあるのではないようです。今回は「The Health Benefits Of Mountain Climbing」と「10 reasons Why Climbing Mountains Can Enrich Your Life」の記事を参考に、登山の魅力をご紹介します。
登山は健康に良い
登山をすると体が鍛えられます。山に登るのはかなりの運動量なので、これは納得ですね。心肺機能や足腰が強くなるだけでなく、体幹が鍛えられバランス感覚も向上します。山道は舗装道路と違って常に体でバランスを取りながら歩く必要があるからです。また、登山では足、膝、腰、腕、手首など全身を使うので、体全体の筋肉がほぐれて可動域が広がり、動きも機敏になるという効果もあります。

山登りでは、長い時間体を動かし続けるのでカロリーもたくさん消費します。だから、ダイエットにも向いているのですが、カロリー消費以上に良い変化が起こります。それは、食生活の改善です。登山をすると不健康な食べ物は適切なエネルギーにならないことがわかるようになるので、食事や食生活に対する意識が高まるとも言われています。
登山は目標達成の縮図
山登りは肉体的にだけではなく精神的にも疲れますが、だからこそのメリットがあります。苦労を乗り越えて山に登ることで、忍耐力や粘り強さを身につけることができるのです。時には足をくじいてしまったり、天気が悪くなったりといった困難に遭遇するかもしれません。でも、その時どうするかを考え、判断していくことで、冷静さや判断力も磨かれていきます。

また、山の麓から登り始めて頂上を目指すことは、生活や仕事の場面で目標を達成する方法を学ぶことにもつながります。目標を立て、準備し、変化に対応し、自分を鼓舞しながら継続する。大変な過程ですが、その先には美しい景色が広がる頂上が待っています。
そして、頂上にたどり着いたときには、それまでの道のりの障害や葛藤は不思議と消え去り、深い達成感を味わうことができます。こうして自分の身体と向き合いながら一歩ずつ歩みを進めた経験は、努力がいかに報われるかを教えてくれるとともに、その後の日常にも静かな自信を残してくれるはずです。
なぜ私たちは「山」に惹かれるのか
登山の魅力を考えるとき、進化心理学からの視点で見てみるのもおもしろいです。興味深いのがプロスペクト・レフュージ理論です。これは、イギリスの地理学者ジェイ・アップルトンが1975年の著書『The Experience of Landscape』で提唱したもの。
人間は進化の過程で、「見渡せる場所(prospect)」と「身を守れる場所(refuge)」を兼ね備えた景観を本能的に好むようになったとされます。山は、眼下に広がる眺望と、森や岩陰がもたらす安心感の両方を併せ持つ地形。私たちが山に惹かれるのは、太古から続く本能の声なのかもしれません。
登山は大切なことを教えてくれる
登山愛好家がしばしば口にする魅力に、「山は毎回、何かを教えてくれる」というものがあります。ある山では登山ルートの下調べの重要性を、別の山では適切な装備の大切さを学ぶ。そして、当たり前だと思っていた日常のささやかなぜいたくにも気づかせてくれます。
参考記事:心のどこかに刻んで欲しい 偉大なナチュラリストの名言

夏の登山で飲む水は人生最高の水であると感じ、風の吹きすさぶ山頂で一枚の上着がどれだけありがたいかを感じるなど、当たり前だと思っていることや、ささやかなことがどれほどぜいたくかを思い知ることができるのだそうです。こういった登山の魅力は実際に経験したからこそ感じられることでしょう。ぜひ一度山登りに挑戦してみてはいかがでしょうか。
(参考)
The Health Benefits Of Mountain Climbing
10 reasons Why Climbing Mountains Can Enrich Your Life
Evidence for prospect-refuge theory: a meta-analysis of the findings of environmental preference research

旅行と自然が大好きで、ふらっと国内外の旅に出かけます。田舎、都会、海外、どこでもたくましく過ごせるのが特技。美しい自然や人との出会いを求めて「次はどこへ?」と心が騒ぐ、旅心と好奇心が止まらない50代です。