自然の世界に美しさを求めて外に出る。風が立派な木々の枝を揺らす中、鳥の歌に耳を傾け、歩いてみる。そんな自然の世界は私たちの身近にあります。今、新型コロナウイルスの影響で家で過ごすことが多くなりました。テレビやスマートフォン、同じ家の風景に飽き、外に出かけたいと思うことも多くなったのではないでしょうか。

そんな中、健康とウェルビーイングの向上、そして外に出たいという気持ちにピッタリなのが森林セラピーです。近年、森林セラピーは世界でも注目されています。

森林セラピーとは?

森林セラピーの始まりは、森林浴です。メンタルヘルスの向上を期待し、野外活動を行うのが森林セラピー。木々や鳥などに注目するハイキングやガイド付き自然ウォーキングと異なり、森林セラピーでは資格を持ったセラピストのガイドによって、ゆっくり落ち着いて、全身で自然を感じる喜びを味わいます。

それにより、今という瞬間に集中して生きている実感を身体で感じ、自分自身と自然がつながって自然の恩恵に浴するのです。

森林浴は1980年代に国際的な健康危機をきっかけに始まりました。この頃日本では、テクノロジー業界などに従事する人々の中で、ストレスを原因として体調を崩すケースが増えていました。長きにわたる研究において、森林浴はストレスの軽減、集中力また免疫力の向上、そして気分を高める効果があると言われています。

※「森林セラピー」は、特定非営利活動法人森林セラピーソサエティの登録商標です。

森林セラピーが体にもたらす影響

ストレスは、コルチゾールと呼ばれるホルモンレベルを高めます。長期的ストレスや慢性的なコルチゾールの上昇は、高血圧や心臓病、頭痛などさまざまな症状を引き起こします。そんな中、森の中でウォーキングをすることにより、コルチゾールが低下することが研究でわかりました。

さらに、フィトンチッドと呼ばれる揮発性エッセンシャルオイルが木から気体として発生しており、抗菌性や免疫システムに効果を示す可能性があるとされています。2万人を対象に行われたイギリスの最近の研究では、一週間、最低2時間の自然の中でのウォーキングまたは散歩が健康とウェルビーイングを向上させる効果があるという結果が出ました。

フィジカルディスタンスの確保が必要な現在であっても、毎日20分外を歩くだけでウェルビーイングの向上につながります。

また、自然のツリーオイルが憂鬱な気分を改善したり、血圧を下げたり、不安を軽減したりすることが分かっています。ツリーオイルにはカレンという物質が含まれています。動物実験では、カレンが炎症を抑制し、免疫力の向上、不安の軽減、また睡眠の質を向上するとも言われています。

証明された自然の力

病室から外の景色を見ることは、ベネフィットがあると言われています。数十年前に発表された研究では、胆嚢手術後の回復期において自然の景色を眺める患者と同じ条件で部屋に窓がない患者で比較したところ、前者が後者と比べ回復速度が早く、また術後の痛みも少ない傾向にありました。

また、別の興味深い研究では、緑化された屋上に、ある効果を発見。実験参加者に、緑化された屋上またはコンクリートを40秒見てもらったところ、緑化された屋上を見ることで集中力の回復と向上が見られ、コンクリートを見ていた人では集中力が悪い結果となりました。

筆者のお気に入りの施設の2階にも緑豊かな庭園があります。とても落ち着きがあり、少し疲れた時に見つめると、目も癒やされ、脳を休ませることができます。

いつもの勉強や仕事を家ではなく、自然の近くで取り組んでみませんか?自然の中では集中力や効率が高くなると言われています。マイボトルを持ち少し外に出て、仕事や勉強をしてみてはどうでしょうか。新しい発見があるかもしれません。

森林セラピーは自然と自分自身が向き合う時間です。また自然の世界はとてもすてきな場所なのです。少し疲れたと感じた時は、緑豊かな場所で深呼吸をしてみてはいかがですか?

参考:
Can forest therapy enhance health and well-being?

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