地球の気候変動が世界的な課題となっている中、「環境にやさしい」「持続可能」「エコ」といった言葉をよく聞くようになりました。しかし、消費者保護に関する国際ネットワークであるICPEN(International Consumer Protection and Enforcement Network:消費者保護及び執行のための国際ネットワーク)が500のウェブサイトを分析した結果、42%のケースで誇張や虚偽の可能性があることがわかりました。

実態は伴わないのに「環境にやさしい」といった言葉で売上を伸ばしたり、企業イメージを上げようとしたりするような見せかけの広告や活動は「グリーンウォッシング」と呼ばれ、世の中にあふれています。

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私たち消費者は「グリーンウォッシング」にだまされないことが大切です。今回はCPD Online Collegeの「What is Greenwashing?」とEarth.Orgの「What is Greenwashing?」の記事を参考に、「グリーンウォッシング」の見極め方や注意点をご紹介します。

あいまいな言葉にだまされない

「環境にやさしいたばこ」と聞いて、どう思いますか。もしかして「なんとなく良さそう」と思いませんでしたか。でも、よく考えてみてください。たばこは健康に害のあるものですから、いくら環境にやさしいからといって、安全なものだとは言えません。

「環境にやさしい」「エコフレンドリー」といった言葉は、直観的に良いイメージを与え、消費者の思考を止めてしまう言葉です。危険なものであっても良いもののように錯覚させてしまったり、実際はそれほど効果はないのに、大きな効果があるように思わせてしまったりするのです。

このようなあいまいな言葉にすぐ反応するのではなく、具体的にはどのような点に配慮しているのか、どのような効果が出ているのかなどを調べたり、尋ねたりすることが大切です。

それらしい写真やマークにだまされない

美しい写真やマークなどにも気を付ける必要があります。企業のホームページの背景に熱帯雨林の画像が使われているだけでも、この会社は環境を意識しているのかもと思ってしまいませんか。でも、それは仕組まれたイメージ戦略の可能性もあります。

また、環境保全に取り組んでいることを示すマークやラベルが記されている製品などもありますが、すべてが信頼できるわけではありません。まるで第三者機関で認証されたかのように見せて、実は自社で作り出した認証ラベルを使っているものなどもあるのです。

繰り返しになりますが、直感で思考を止めることや、見たものをそのまま鵜呑みにすることは危険です。本当に環境保全に取り組んでいる企業なのかを自分の手で調べて確認するようにしましょう。

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本当の環境保全について学ぶ

あいまいな言葉や美しい写真に惑わされなかったとしても、それだけでは足りません。私たち消費者自身が「環境にやさしい」とはどういうことなのかをきちんと理解しておかなければ、判断できない場合もあるからです。

例えば、「プラスチックに代わる環境にやさしい素材として木や竹などの天然素材を使用している」という説明は疑いもなく納得してしまうかもしれません。でも、木の伐採が進みすぎて森林破壊が起きていたり、成長を促進するために農薬を使って竹が育てられていたりという状況も生まれています。

私たち消費者が正しい環境保全について学ぶことが、グリーンウォッシングにだまされないための最善の方法です。でも、これはだまされないためだけではありません。消費者が企業の広告や活動を正しく評価できるようになることで、グリーンウォッシング自体を減少させることができます。企業を正しい方向に導くのは消費者自身であるという自覚をもって、私たち一人一人が環境を意識していくことが重要です。

(参考)
CPD Online College「What is Greenwashing?
Earth.Org「What is Greenwashing?

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